心房細動の高齢者での発症増加・慢性化を説明する自律的・自己増幅的機構の解明
Project/Area Number |
21H02909
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
古川 哲史 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (80251552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井原 健介 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (50770210)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,670,000 (Direct Cost: ¥5,900,000、Indirect Cost: ¥1,770,000)
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Keywords | 心房細動 / 自然免疫 / マクロファージ / ミトコンドリア / マイトファジー / 全エクソン相関解析 / 自律神経 / 炎症 |
Outline of Research at the Start |
心房細動の病態発現機構として「慢性炎症」がある。この分子機構の鍵は、「高齢者における発症の指数関数的増加」・「AF beget AFが関与する慢性化・重症化」を説明できる『自律的・自己増幅的機構』にある、との仮説をたて、以下の2つの経路に着目した: (A) Tks5機能異常による 自律的な単球のマクロファージ分化・組織浸潤 (B) 自己増幅的 vicious cycle「代謝ストレス→循環ミトコンドリアDNA→自然炎症」 本研究計画では、これらの経路の解析を通して、自律的・自己増幅的機構という視点から、心房細動の発症・重症化機構にブレークスルーをもたらすことを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
スプライシング制御因子RBM20の変異はその機能喪失によりタイチン(TTN)遺伝子などの標的遺伝子のスプライシング異常を介して拡張型心筋症(DCM)を生じるとされてきたが、我々はRBM20変異によるDCM症例において変異が集中するRSRSP配列がRBM20の核移行に重要であり、RSRSP配列の変異はRBM20の核移行能の喪失をもたらし細胞質において凝集体を形成し機能獲得することがDCM発症やその不整脈原性(特に心房細動)に重要であることを報告してきた。昨年度までにRBM20に対するRNA免疫沈降実験を行い細胞質の変異型RBM20凝集体がRNAを内包していることを確認したが、当該年度においてはRNA免疫沈降で得たmRNAを用いて網羅的解析を行った。RNA免疫沈降で得たRBM20結合RNAおよびRbm20 KIマウス心臓における発現変動遺伝子を比較検討したところ、発現低下遺伝子のうち約半数がRBM20結合RNAにenrichされている一方で、発現増加遺伝子のうちRBM20結合RNAは約2割にとどまり、RBM20と結合するRNAは遺伝子発現低下を示しやすいと考えられた。この所見は昨年度までの検討でのRBM20と細胞質において結合すると考えられるコネキシンの遺伝子発現低下をきたす所見に一致すると考えられた。また、これまでの検討から変異型RBM20凝集体は細胞質においてmRNAを内包するRNA顆粒と考えられるが、生理的に細胞質においてRNA代謝を司るRNA顆粒としてP-bodyが知られている。変異型RBM20凝集体とP-bodyの関係性を調べるために免疫染色を行ったところ、凝集体とP-BodyマーカーであるDDX6が共局在していることがみとめられ、変異型RBM20はP-bodyに局在しそのRNA代謝に変容をきたし、DCM発症や心房細動発症に関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
検討の途中で、Rbm20S634Aマウスが、ヒト慢性心房細動に酷似した経過で慢性心房細動を自然に発症することが判明した。ただし、Rbm20S634Aマウスは拡張型心筋症も呈するため、心房特異的Rbm20S634Aマウスを作成した。これらのマウスモデルを用いるほうが、臨床に応用できる成果が得られると判断し、マウスモデルを変更したため、進捗が想定よりやや遅れている。 これは、よりインパクトのある成果を得るための決断である。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)心房特異的Rbm20S634Aマウスも、心臓特異的Rbm20S634Aマウス同様、慢性心房細動を自然発症するか、テレメトリー心電図記録を用いて検討する。もし、慢性心房御細動を発症する場合は心房特異的Rbm230S634Aマウスをマウスモデルとして使用する。もし慢性心房細動を発症しない場合は、心臓特異的Rbm20S634Aマウスをマウスモデルとして使用する。 (2)心房特異的Rbm20S634Aマウス、あるいは心臓特異的Rbm20S634Aマウスを用いて、マクロファージの心房への浸潤を、免疫組織染色法で検討し、野生型マウスと比較する。また、傾向顕微鏡観察を用いて、podosome形成が増加しているか検討する。さらに、PKC経路の活性化が起こっているか、Western blot解析を用いて検討し、PKC阻害薬によりマクロファージの浸潤が抑制されるか、薬理学的に確認する。 (3)心房特異的Rbm20S634Aマウス、あるいは心臓特異的Rbm20S634Aマウスを用いて、セルフリーミトコンドリアDNAの血中濃度を測定し、野生型マウスと比較する。また、心房委員細胞でマイトファジーが起きているか、電子顕微鏡観察で検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(18 results)
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[Journal Article] Cholesterol-functionalized DNA/RNA heteroduplexes cross the blood-brain barrier and knock down genes in the rodent CNS.2021
Author(s)
Nagata T, Dwyer CA, Yoshida-Tanaka K, Ihara K, Ohyagi M, Kaburagi H, Miyata H, Ebihara S, Yoshioka K, Ishii T, Miyata K, Miyata K, Powers B, Igari T, Yamamoto S, Arimura N, Hirabayashi H, Uchihara T, Hara RI, Wada T, Bennett CF, Seth PP, Rigo F, Yokota T
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Journal Title
Nat Biotechnol
Volume: 39
Issue: 12
Pages: 1529-1536
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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