Comprehensive study on the effects of periodontal pathogen on the pathophysiology of atrial fibrillation
Project/Area Number |
21H03112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57020:Oral pathobiological science-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮内 睦美 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (50169265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 由紀子 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (10397911)
小松澤 均 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (90253088)
作村 諭一 奈良先端科学技術大学院大学, データ駆動型サイエンス創造センター, 教授 (50324968)
應原 一久 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (80550425)
向下 寿子 (古庄寿子) 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (00634461)
新谷 智章 広島大学, 病院(歯), 講師 (90403518)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
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Keywords | 歯周病原細菌 / 心房細動 / 歯周病 / ビッグデータ解析 / 心筋線維化 / 歯性感染病巣 / 歯周炎 / Porphyromonas gingivalis / 心線維化 / ジンジパイン |
Outline of Research at the Start |
高齢化に伴い心房細動(AF)の罹患率は増加し、80歳で約10人に1人が罹患している。AFは炎症による線維化が大きな原因であるが、歯周炎との関係は未だ不明である。本研究では主な歯周病原細菌であるPorphyromonas ginivalis (P.g.) が AFの病態、予後に及ぼす悪影響やそのメカニズムを実験病理学的に明らかにし、P.g. などの歯周病原細菌を標的とした検査方法の開発や予防/治療戦略を確立するための基礎的なデーターとするとともに、疫学研究や前向き臨床研究を行い歯周炎がAFの発症、病態進行、治療成績ならびにその合併症に及ぼす影響を解明し、歯周炎治療介入の有用性を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究1:P.g.歯性感染が心房線維化に及ぼす影響を検討するためにC57BL/6マウスを通常食【Cont(対照)、 P.g.、 P.g.-Inh(治療)】と高脂肪食投与【HFD、 HFD-P.g.、 HFD-P.g.-Inh群】に分け、P.g.-inh群には治療としてジンジパイン阻害剤を毎日経口投与した。既に、P.g.歯性感染6週後と12週後のサンプルを回収し、解析中である。 研究4:2021度までに心房細動(AF)に対してカテーテルアブレーション治療を受け、同意の得られた295症例について、歯周炎の程度、心房細動の病態、治療成績、予後及び手術時血清を用いたP.g.血清抗体価を解析し、歯科治療後の経過を前向きに追跡調査中である。 研究5:手術中に左心耳切除を受けた患者64例(AFなし(N=22)、発作性AF(N=16)、非発作性AF(N=26)を登録し、切除した左心耳切片の線維化領域(%)をアザン染色で評価した。その結果、発作性および非発作性AF患者は、AFのない患者よりも左心耳の線維化%が高かった(p = .005およびp < .0001)。非発作性AF患者では、左心耳血栓を有する患者は有しない患者に比べ左心耳線維化%が有意に高く(p = .002)、左心耳組織の線維化がAFの発症に関連する事を組織学的に明らかにした。また、AF患者における歯周病原細菌P.g.と左心耳の心エコーによる血栓の有無との関係を明らかにすることを目的としAFのアブレーション手術候補者569 症例を登録した。P. gingivalis fimAサブタイプ(タイプI~IV)の血清抗体価を測定し、P.g.血清科抗体価高値群と低値群に分類した。多変量回帰分析の結果、適切な抗凝固療法を受けているAF患者においてP.g.タイプIIおよびIVは左心耳心エコーの重症度と関連していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究1:概ね順調に進んでいる。 P.g.歯性感染による電気的変化は、心内カテーテルを用いた心内心電図の採取方法を用い記録する。AFは心内カテーテルによる電気的刺激後のAF誘発性、持続性の差異について心内心電図を用いて検証する予定であるが、マウスを用いたカテーテル操作であるため、技術的に非常に困難で、その習得、成功率の向上に時間を要している。今年度は動物実験を開始する予定である。 研究2:今年度は動物実験モデル確立に費やしたため。細胞実験が遅れている。 研究3:協会けんぽ広島支部のレセプト情報、健康診断アンケート、心電図などの検査結果の情報提供の合意は得られ、倫理申請も共同契約締結も行った。情報抽出に時間がかかっており、未だ、データの入手ができていない。しかしながら、近日中に可能との連絡があったため、2022年度は、歯周炎患者と健常者とでAFの発症率を比較検討、解析を進めることができる。 研究4:概ね順調に進んでいる。今年度はメタゲノム解析をスタートさせる。 研究5:一番順調に進行しており、学会発表を行い、関連論文も2報出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1:2021年度に行った動物実験の材料を用い、①線維化領域の組織計測学的検討、②炎症細胞浸潤、③P.g.感染の有無(免疫染色、DNA検出)、④Galectin-3(Gal-3)発現、⑤TGF-β1-smad経路の活性化、⑥サイトカイン発現に加え、⑦収縮蛋白発現への影響を検討する。P.g.歯性感染による電気的変化は、心内カテーテルを用いたECGの採取方法を用い記録する。P.g.感染の有無によるAF誘発性、持続性の差異を検証する。 研究2:培養心筋細胞と心線維芽細胞を用い、P.g./PAR2/TGF-β1経路の関与を検討する① TGF-β1、Gal-3の産生に及ぼすP.g.感染やP.g.-LPS刺激の影響をELISA、PCR、WBで調べる。②TGF-β1産生にP.g.の産生する酵素 gingipain によるPAR2活性化が関与するか調べる。③P.g.-gingipain 阻害剤を用いたTGF-β1産生抑制が心房組織の線維化を抑制する可能性を検討する。 研究3:協会けんぽ広島支部のレセプト情報、健康診断アンケート、心電図などの検査結果の情報提供近日中に可能との連絡があった、2022年度は、歯周炎患者と健常者とで心房細動の発症率を比較検討し、歯周炎が心房細動のリスクであることを明らかにする。データの提供があれば、奈良先端大学院大学の大型電算機を用いて早急に解析を始める予定である。 研究4:患者の登録を継続する。術後3年経過した患者についてはホームドクターに患者の状態に関するアンケート調査を開始し、歯周炎の程度とAFの病態、治療成績、予後との関係を明らかにする。 研究5:現在、左心耳線維化%と歯周病活動性指標(PISA /BOL/PD>4mm)との関連性を解析中で、歯周炎が左心耳線維化の程度と正の相関を示し、AFのリスクファクターとなる可能性が明らかになってきている。今後詳細な検討を加える。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)
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[Presentation] Association between Left Atrial Appendage Fibrosis and Thrombus Formation: A Histological Approach2022
Author(s)
Shunsuke Miyauchi, Takehito Tokuyama, Yousaku Okubo, Shou Okamura, Yoshihiro Ikeuchi, Shogo Miyamoto, Yukimi Uotani, Taiichi Takasaki, Keijiro Katayama, Shinya Takahashi, Yukiko Nakano
Organizer
第86回日本循環器病学会学術集会
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