肝臓の糖脂質代謝とNAFLDにおけるマクロファージ由来因子による転写制御の意義
Project/Area Number |
21H03382
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
酒井 真志人 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (40643490)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
厚川 正則 日本医科大学, 医学部, 准教授 (00386161)
菱川 大介 日本医科大学, 医学部, 講師 (10569966)
山崎 吉之 日本医科大学, 医学部, 助教 (90407685)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 肝臓 / 糖・脂質代謝 / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / マクロファージ / 転写制御機構 / 組織マクロファージ / 単球 / 糖脂質代謝 |
Outline of Research at the Start |
肝細胞の糖脂質代謝遺伝子の発現は、クッパー細胞などの非実質細胞との相互作用によって調節されている。また、非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease: NAFLD)では、肝臓マクロファージが病態進展に重要な役割を果たす。しかし、正常肝臓とNAFLDにおいて、肝臓を構成する各細胞の転写がマクロファージ由来の分泌因子によってどのように調節されているのかは、十分に分かっていない。 本研究では、正常及びNAFLD肝臓における、肝臓マクロファージ由来因子による肝臓を構成する細胞の転写制御と、その代謝表現型と病態への影響を明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
肝臓の糖脂質代謝遺伝子の発現は、摂食状態に応じて、ホルモンと栄養素により遺伝子転写レベルで制御され、糖脂質代謝の恒常性を維持している。糖尿病では、摂食サイクル依存的な遺伝子発現調節機構が破綻し、肝臓の脂質合成系および糖新生系酵素遺伝子の発現の病的亢進が脂肪肝と高血糖の原因となる。そのため、肝臓における摂食依存性の遺伝子発現制御メカニズムの解明は、糖尿病・代謝疾患研究における重要な課題である。しかし、肝細胞の絶食・摂食応答遺伝子発現における肝臓の非実質細胞の役割は、十分に明らかとなっていない。 本研究では、肝臓の組織マクロファージであるクッパー細胞と肝細胞の相互作用に着目し、肝臓マクロファージ由来因子による肝細胞の遺伝子発現調節と、その肝代謝と病態に与える影響を明らかにする。 令和5年度は、クッパー細胞において摂食状態によって発現が変動する遺伝子の解析を実施した。また、クッパー細胞特異的Cas9発現マウスを用いて、ゲノム編集による遺伝子破壊によって肝代謝に影響を与える因子を同定するため、目的遺伝子を標的としたアデノ随伴ウイルスの増幅と精製を実施した。さらに、クッパー細胞特異的ジフテリアトキシン受容体発現マウス(Clec4f-Cre+/-; Rosa26iDTR+/-)におけるクッパー細胞の特異的な除去が肝細胞の転写に与える影響の解析から、クッパー細胞由来因子は肝細胞のグルココルチコイド受容体標的遺伝子の発現を制御していることが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでにアデノ随伴ウイルスを用いたクッパー細胞特異的なゲノム編集法を改良し、高効率な感染とゲノム編集が可能となった。また、クッパー細胞における摂食依存性の遺伝子発現変動と、クッパー細胞による肝細胞における代謝遺伝子の転写制御が明らかとなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
クッパー細胞特異的なゲノム編集による遺伝子破壊を用いて、クッパー細胞における摂食依存性の遺伝子発現変動の上流シグナルの解明を目指す。また、胎生期由来クッパー細胞と単球由来マクロファージが肝代謝に与える影響とその違いに着目した解析を進めていく。
|
Report
(2 results)
Research Products
(13 results)