Project/Area Number |
21H04742
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 40:Forestry and forest products science, applied aquatic science, and related fields
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
山下 洋 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(長崎), 主任研究員 (00583147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 隆一 北海道大学, 水産科学研究院, 教授 (20265721)
井上 菜穂子 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (00509515)
神保 充 北里大学, 海洋生命科学部, 教授 (10291650)
新里 宙也 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (70524726)
小池 一彦 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (30265722)
横田 秀夫 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, チームリーダー (00261206)
將口 栄一 沖縄科学技術大学院大学, マリンゲノミックスユニット, グループリーダー (90378563)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥41,990,000 (Direct Cost: ¥32,300,000、Indirect Cost: ¥9,690,000)
Fiscal Year 2024: ¥9,490,000 (Direct Cost: ¥7,300,000、Indirect Cost: ¥2,190,000)
Fiscal Year 2023: ¥9,360,000 (Direct Cost: ¥7,200,000、Indirect Cost: ¥2,160,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,580,000 (Direct Cost: ¥6,600,000、Indirect Cost: ¥1,980,000)
Fiscal Year 2021: ¥14,560,000 (Direct Cost: ¥11,200,000、Indirect Cost: ¥3,360,000)
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Keywords | 褐虫藻 / サンゴ礁生態系 / 共生 / 共生体 / サンゴ / シャコガイ / サンゴ礁 |
Outline of Research at the Start |
共生体は異なる生物の生命現象が複雑に絡み合い、あたかも一つの生物のようにふるまう。海の熱帯雨林とも称されるサンゴ礁では、刺胞動物のサンゴや二枚貝のシャコガイが褐虫藻と呼ばれる藻類と共生して繁栄している。この「褐虫藻共生システム」はいったいどのように成り立っているのか?本研究では、観察により得られた「現象」に関与する「物質」の詳細を明らかにし、それら物質の共生体内での「局在・分布・遷移」を可視化することで、生命現象が複雑に絡み合う褐虫藻共生システムを体系的に理解する。
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Outline of Annual Research Achievements |
海の熱帯雨林とも称されるサンゴ礁では、刺胞動物のサンゴや二枚貝のシャコガイが褐虫藻と呼ばれる微細な藻類と共生して繁栄している。本研究では、観察により得られた「現象」に関与する「物質」の詳細を明らかにし、それら物質の共生体内での「局在・分布・遷移」を可視化することで、生命現象が複雑に絡み合う褐虫藻共生システムを体系的に理解することを目的とする。令和5年度は、令和4年度夏季の異常な高水温のため実施できなかったシャコガイ類を用いた水槽実験と遺伝子解析実験を実施した。また、染色体レベルでのシャコガイゲノムのアッセンブリに成功し、26626のタンパク質コード遺伝子が予測された。令和3,4年度に実施したシャコガイ―褐虫藻共生体の代謝物解析とイメージング質量分析顕微鏡観察から、シャコガイは自身の細胞膜脂質として褐虫藻が作り出す植物性脂質を利用していることを明らかにし、論文として公表した。また、サンゴ枝の3次元画像化にも成功し、サンゴおよび褐虫藻それぞれに特徴的な代謝物を指標としたイメージング質量分析の結果と統合することで、サンゴ内における褐虫藻の局在の可視化を行い、論文として公表した。シャコガイとサンゴそれぞれの抽出物をゲルろ過クロマトグラフィーで分画し、透析を経たものを褐虫藻培養株へ添加し、光合成活性の変化を観察したところ、シャコガイとサンゴあるいは添加した褐虫藻培養株の種ごとに、光合成活性への影響が異なっており、宿主と褐虫藻種の組み合わせごとに光合成活性の促進・抑制効果が存在する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度に実施できなかったシャコガイ類の飼育実験や遺伝子解析も令和5年度に実行することができ、他の実験等も概ね予定通り実行できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は引き続き、サンゴあるいはシャコガイを用いた代謝物解析および、代謝物の組織内での局在や分布の観察を実施する。また、褐虫藻培養株を用いて褐虫藻細胞の増殖や形態変化に関与する物質の探索を継続する。さらに、3次元内部構造顕微鏡を用いてサンゴあるいはシャコガイの内部構造の観察も引き続き実施する。
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