大学生の健康観察の活用状況から、初等中等教育での自己管理能力育成の方策を提案する
Project/Area Number |
21K02579
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
石井 有美子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (50897874)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 紀久子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (60331857)
田中 祐子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (10535800)
森 健治 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (20274201)
西岡 伸紀 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (90198432)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
|
Keywords | 健康観察 / 自己管理能力 / 日常生活への活用 |
Outline of Research at the Start |
児童生徒が健康で安全な学校生活を送るために、教員は健康観察で子どものサインを見逃さないことが重要である。そのため健康観察を行うことが法的に位置づけられている。しかし、教師側の認識として健康問題の早期発見、早期対応や、感染症の拡大防止に重きがおかれ、自己管理能力の育成は芳しくない。加えて健康観察の教育的機能を高めるための方策も十分に検討されていない。本研究は、量的調査によって大学生の健康観察結果の活用状況や、活用を促進・阻害している要因を究明する。またその結果を受け、養護教諭や教諭のインタビュー調査や量的調査から小中学校における自己管理能力育成のための保健教育における指導方法を提案する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,①大学生の健康観察結果の日常生活への活用状況を把握するとともに,活用を促進・阻害している要因を明らかにする.②初等中等教育において育成すべき自己管理能力の指導方法を養護教諭や教諭を対象とした半構造化面接により見出す.③自己管理能力の指導についての質問紙調査を養護教諭や教諭に実施し,今後の指導方法を提案することである. ①の調査は,2022年に国立大学3校において実施した.健康状態を確認している割合は,全体で77.3%であった.確認状況は,医学部の方が教育学部より(p<.001),女子の方が男子よりも(p<.001),4年の方が1年よりも(p<.001),いずれもよく確認していた.一番多かった確認事項は,「体温」,次いで「痛みや体のだるさ等の症状」,「すっきりとした目覚め」であった.一方,少なかった確認事項は,「穏やかな気持ちで過ごせるか」,「不安や悩みはないか」「勉学への意欲があるか」などの精神面の健康状態の指標であった.日常生活への活用4項目の活用の割合は,全て医学部が教育学部よりも高かった.関連性については次の通りである.「1日の過ごし方を考える」の活用促進に関連を示したのは,保護者のソーシャルサポート高群であった.活用抑制に関連を示したのは,日常生活の変更への抵抗感高群であった.「今後の過ごし方を考える」の活用促進に関連を示したのは,ヘルスリテラシーの疾病予防高群であった.「日常生活の活用状況」の活用抑制に関連を示したのは,日常生活の変更への抵抗感高群であった.「生活への有用性」の活用促進に関連を示したのは大学3年生,4年生であった. 本研究の予備調査であり,基礎資料となった児童生徒の健康観察結果の日常生活への活用についての研究成果は,日本学校保健学会の学校保健研究〈2022年64巻3号)に掲載された.また国際地域看護学学会(2022年6月)で報告した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度は,本研究の基礎資料となる児童生徒の健康観察結果の活用状況における調査(2020年度)の分析,論文化を優先したため,①大学生の調査に着手するのが約1年遅れ2022年度に実施した.そのため当初計画の②小中学校教員への半構造化面接はまだ着手できていない.現在,実施にあたり研究計画を作成している段階である.以上の状況を総合的に勘案し,現在までの進捗状況は「遅れている」と判断した.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の計画としては,①大学生の調査の研究成果の取りまとめを速やかに行い,論文及び学会発表で公表していく.次に児童生徒及び大学生の健康観察の調査の結果を踏まえ,②初等中等教育において育成すべき自己管理能力の指導方法を養護教諭や教諭の半構造化面接により見出す.主要なインタビュー内容を先行研究から選定し,インタビューガイドを作成する.また,調査のための研究倫理審査を申請する.課題は,研究協力校及び教員の確保であるが,機縁法により公立小学校及び公立中学校の教員10~20名を協力者として調査を行えるように進める.また,調査のため遠方への移動など時間的な制約も考えられるが,対面によるインタビューが難しい場合は,Zoom等を活用し調査を進める.2023年度は,①と②を並行し実施していく.
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)