テフラ粒子の数値化による新たな広域テフラの検出:500万年間の破局噴火の発生頻度
Project/Area Number |
21K03676
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17030:Human geosciences-related
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
長橋 良隆 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (10292450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 香子 新潟大学, 災害・復興科学研究所, 教授 (00378548)
里口 保文 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 上席総括学芸員 (20344343)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 広域テフラ / 火山ガラス / 粒子形状 / 電子顕微鏡 / 破局噴火 / 発生頻度 / 走査電子顕微鏡 / テフラ / 粒子解析 / 時空間分布 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,年代と給源・噴出規模が既知の40層の広域テフラ層を対象として,構成粒子の諸特性を数値化する粒子解析の手法を確立する.この粒子解析は,広域テフラ層の構成粒子組成,粒度(円換算径)組成,粒子形状,火山ガラスの厚さと気泡径を数値化することである.その上で陸域と海域を統合した過去500万年間のテフラ層序に基づいて,約700層のテフラ層に対して粒子解析を行い,これまで認識されていなかった破局噴火による広域テフラ層を検出する.本研究の成果によって構築した数え落としの無い過去500万年間の破局噴火による広域テフラ層の時空間分布から,破局噴火の噴出場の変遷と発生頻度を明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,琵琶湖高島沖コアおよび大阪湾岸の複数コアに挟まる約120層のテフラ層(過去約45万年間),さらに房総半島の上総層群に挟まる約250層のテフラ層(約230万年前から約40万年前)を対象に系統的に粒子解析を行った.これらの解析結果を検討したところ,粒子の形状値のばらつきが大きいこと,粒子の外周と面積との関係が一定でないことが判明した.粒子解析ソフトウェアの仕様を確認したところ,粒子の外周には内部の気泡をもトレースした外周値と輪郭のみをトレースした外周値の2通りがあることが分かった.形状値を算出する上での外周値は粒子の輪郭でなければならないが,先の粒子解析は前者で行っていた.そのため粒子の輪郭を外周値とする粒子解析ソフトウェアのオプション(穴埋め処理)を設定し,再測定した. 再測定は,琵琶湖高島沖コアおよび大阪湾岸の複数コアに挟まる約120層のテフラ層(過去約45万年間)について終了している.粒子解析の結果のうち,形状値はソフトウェア標準の円形を基準としたものから,四角形を基準としたものへと変更した.これは火山ガラスのアスペクト比が1.5以上のものが多く,そもそも長方形の形状を示すからである.また,粒子形状の特性把握のために,充填率「(粒子面積/(長さX幅)」という項目を導入した.これらのテフラ層の記載岩石学的性質,すなわち火山ガラスの形状(扁平型,中間型,多孔質型)とそれらの含有率に対して,アスペクト比,形状値,充填率との関係を検討したところ次のことが明らかになった.扁平型の火山ガラスの含有量が多くなると,アスペクト比は大きくなり,形状値は小さくなる.反対に,多孔質型火山ガラスの含有量が多くなると,アスペクト比は小さくなり,形状値は大きくなる傾向がある.また,火山ガラスの形状と充填率とには相関関係は認められない.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
粒子解析ソフトウェアによる測定値の算出方法について確認することができ,またソフトウェアオプションを利用することで粒子形状の外周(輪郭)を正しく計測できることが分かった.さらに琵琶湖高島沖コアおよび大阪湾岸の複数コアに挟まる約120層のテフラ層についての再測定が終了しており,粒子の形状特性の基本的関係を把握し,過去45万年間のテフラ層の火山ガラスの粒子形状について検討できた.
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Strategy for Future Research Activity |
粒子解析ソフトウェアによる測定値の算出方法を理解し,オプションを利用した計測条件を適切に設定できたことにより,粒子形状に関する正確な測定方法を確立することができた.今後は,房総半島の上総層群に挟まる約250層のテフラ層(約230万年前から約40万年前)および過去500万年間の約80層の代表的な広域テフラ層を対象として粒子解析の結果を得る.また粒子形状,記載岩石学的特性,火山ガラスの主要元素組成に関する多変量解析を実施し,破局噴火によりもたらされた火山ガラスの特性を数理統計的に把握することが重要である.これにより,これまで知られていなかった破局噴火のテフラ層の抽出を行うことが可能となり,過去500万年間の数え落としの無い破局噴火の時空間分布を構築し,破局噴火の噴出場の変遷と発生頻度について検討できる.
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)