地震波形インバージョンによる内核境界近傍の詳細構造推定
Project/Area Number |
21K03716
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河合 研志 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (20432007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 裕輝 東京工業大学, 理学院, 研究員 (70897785)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 波形インバージョン / 核マントル境界 / 巨大S波低速度異常領域 / 可変グリッド / 最下部マントル / 異方性構造 / 波形インバージョン法 / 稠密アレイ観測網 / 外核 / 内核 / 広帯域地震波形 / 固体液体境界 |
Outline of Research at the Start |
本申請研究の推定対象は、震源・観測点分布からICB直上・直下を通過するPKPbc, PKiKP, 及びPKIKPの波線が集中する複数の地域のICB直上・直下の約500kmずつとする。推定領域を鉛直方向50km以下及び水平方向400km程度のグリッド(各グリッドのP波速度が推定パラメータ)に分割し、我々の研究グループが開発してきた局所的波形インバージョン法を適用し構造推定を行う。推定したP波速度構造は鉱物物理学の知見に基づいて解釈し、現在の内核の熱・化学進化の様式、過去数億年の成長履歴に制約を与える。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、最近公開されてきているアフリカ大陸の地震波観測網のデータを活用し、そのデータから情報を余すことなく引き出すことができる波形インバージョンを行うことで、アフリカLLSVP(巨大S波低速度異常領域)西側境界域にあたる南大西洋下のD″領域(最下部マントル)の詳細な3次元S波速度構造を推定した。使用した波形データは深発およびやや深発地震からの地震波を震央距離70-100度で観測したおよそ3600本の広帯域地震波形の水平トランスバース成分であり、IRISから取得した。0.005-0.1 Hzの周波数帯のフィルターをかけ、SおよびScSフェーズを含む時間窓を使用した。限られたデータの中で可能な限り高い解像度を維持したままインバージョン結果を安定させるために、可変グリッドインバージョンを行うための手法を開発して適用した。
得られた3次元S波速度構造モデルには、ブラジルの下に500 kmスケールの高速度域が複数みられた他、南大西洋下のコア-マントル境界(CMB)直上に複数の小スケール(直径500 km程度)の低速度域が確認された。このうちブラジル下の高速度域は過去のファラロンプレートの沈み込み帯の位置に沿って複数並んでいることから、ファラロンスラブがD″領域に到達するまでの間に幾つかの部分に柱状に分裂したものと考えられる。一方、CMB直上の低速度域は従来の全マントルトモグラフィーでLLSVPとされてきた領域の内部だけでなくその西側にも存在しているが、LLSVPがCMB直上で薄い層(厚さ200 km程度)として西側に伸びているとするフォワードモデリングの研究(Ni & Helmberger 2003)と概ね整合的である。南大西洋下のCMB直上に複数の小スケールの低速度域が確認されたことから、LLSVPは細い上昇流の集合体であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
分担者が科研費応募資格を喪失したため削除したことに伴い、分担者の役割分担分に関してやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
分担者削除に伴い、昨年度から研究代表者が主催する研究室に所属する大学院生に研究協力者として参加してもらっている。削除する分担者の役割はソフトウェア開発およびデータ解析であったが、研究代表者の統括のもと研究協力者に担当してもらっている。最近公開されてきているアフリカ大陸の地震波観測網のデータを活用し地球核の構造推定を目指していたが、その過程でそれらのデータを用いて既往研究では推定が難しかった南半球の最下部マントルの詳細な構造推定が可能であることがわかった。また、地球核の構造に感度を持つ地震波はマントルもサンプルし、地球核の地震波速度構造推定のためにはマントルの正確な構造の情報が欠かせないことから、昨年度は観測波形の水平1成分を用いて南半球の最下部マントルのS波速度構造推定を行った。最終年度は観測波形3成分を用いて最下部マントルおよび核の一括構造推定を目指す。
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Report
(2 results)
Research Products
(24 results)