Design of functional nanostructures with high electrochemical performance
Project/Area Number |
21K04149
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21050:Electric and electronic materials-related
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
金 敬鎬 北見工業大学, 工学部, 教授 (70608471)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | ナノ構造体 / 複合酸化物 / 複合水酸化物 / 電気化学反応 / 酸化物 / スーパーキャパシタ / ナノ材料 / 電極材料 / エネルギー貯蔵デバイス / 省エネルギー |
Outline of Research at the Start |
本研究課題では、ウェットプロセスを用いた複合ナノ構造体のデザインとその電気化学的反応機構を解明し、エネルギー貯蔵デバイスの性能向上を目指す。 従来の均一核生成・成長のみ用いて得られた粉末状のナノ構造体の場合は、添加物を混合した後金属基板上にコーティングする方法を用いて電極材料として使用できる。しかし、添加物の不均一な分布や高抵抗による素子性能の低下が指摘される。 そこで、従来では困難であった均一核生成・成長と不均一核生成・成長を同時に用いた複合ナノ構造体を直接成長させ、そのサイズや形状が及ぼす電気伝導率、比表面積、熱・化学的安定性への影響と電気化学的反応機構との相関関係を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
安全かつ安価な再生可能エネルギー源の開発やエネルギー貯蔵デバイス(スーパーキャパシタ)の性能向上により持続可能な社会を実現することは可能である。そのため、比較的に安価である遷移金属系酸化物・水酸化物の成膜やその形態的特性評価は、電気化学的特性の性能向上を図るために最も重要な要素である 令和4年度では、化学溶液堆積法を基にするウェットプロセスにより透明導電膜付きガラス基板上に直接成長させたニッケルーコバルト酸化物の形態的特性へのニッケルとコバルトの前駆体比およびヘキサメチレンテトラミン(HMT)量の影響を明らかにした。溶液反応の中、基板上の不均一な核生成により成長したナノシートは基板に対して垂直方向に配列し、成長時間の増加に伴い連続した均一な薄膜構造を有する複合ニッケルーコバルト構造体を簡単かつ安価で成膜可能である。相互接続したナノシートの垂直配列は電気化学反応中、電子の移動を促進する重要な要因である。また、ナノシートの幅および基板上に成長された密度はニッケルに対するコバルトの前駆体比やHMT量の増加に伴い減少した。それは、前駆体比やHMTによる溶液中のpHの変化に影響と考えられる。 次に、溶液反応の中、均一な核生成により成長したニッケルーコバルト水酸化物の熱処理による形態的特性を評価した結果、後熱処理(空気中300度)を施すことで水酸化物は酸化物への相転移が起こる。しかし、その滑らかな表面を有するナノシート構造は維持されることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は、環境への負担が少なく、より簡単な化学溶液堆積法に基づくウェットプロセスにより新規ナノ構造体のデザインとその電気化学的反応機構の解明を目的とする。 R4年の研究成果は、(1)透明導電膜付きガラス基板上に成長させたニッケルーコバルト酸化物は、基板に対して垂直に配列したナノシート構造であり、そのナノシートの幅や密度などの形態はニッケルとコバルトの前駆体比によって制御可能であることを研究論文(Applied Physics A, 128 (2022) 507)として報告した。また、(2)ヘキサメチレンテトラミン(HMT)により、ニッケルーコバルト酸化物の薄膜構造や膜厚への影響を明らかにした。HMT量の増加に伴い膜厚の一定値まで増加した後減少した。それはHMTにより溶液のpHの変化に伴い結果と考えられる。その研究結果に関しては研究論文(Materials Letters, 329 (2022) 133192)として報告した。次に、比較的滑らか表面を有するナノシートの表面形状への後熱処理の影響について、国内学会(電気化学会 第90回大会、令和5年、3月)で発表した。 相互接続したナノシートで構成される複合ニッケルーコバルトナノ構造体は、マイクロオーダーの多孔質(ポーラス)構造であり、その広い表面積や基板に対して垂直配列は可逆的ファラデー反応を利用したエネルギー貯蔵デバイス(スーパーキャパシタ)の電極材料として極めて重要な形態的特性である。さらに、従来の貴金属ルテニウム系と比べ、その製造コスト面で優れた競争力を持つことが出来る。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度までは、簡単なウェットプロセスを用いた複合ニッケルーコバルトナノシート構造体を成膜して、異なる溶液条件(ドーパント(亜鉛・コバルト)、前駆体比、ヘキサメチレンテトラミン量など)によるナノシート構造体の形態的特性を評価した。比較的に高価である真空装置を必要とするスパッタなどのドライプロセスと比べてウェットプロセスを使用することで、安価かつ簡単に複合ナノ構造体を成膜することが可能になった。 令和5年度は、新規複合ナノ構造体として水酸化ニッケルー酸化銅のサイズや表面積、配向性などの形状的特性及び熱的安定性を評価する。均一・不均一な核生成メカニズムにより成長したニッケルー銅ナノ構造体の形態的特性を評価し、研究成果を発表する予定である。また、異なる成長条件(時間・温度)による成膜された複合ニッケルーコバルト水酸化物の活性化時間及びサイクル耐久性、静電容量などの電気化学的特性を評価する。そして、複合ナノ構造体の形態的特性と電気化学反応機構の相互関係を解明することで、エネルギー貯蔵デバイスとしてスーパーキャパシタの性能向上を目指す。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)