放射線と複数ストレス曝露が及ぼす組織への影響とその予防効果の検証
Project/Area Number |
21K04943
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 31010:Nuclear engineering-related
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
片岡 隆浩 岡山大学, 保健学域, 准教授 (40509832)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岡 聖典 岡山大学, 保健学域, 教授 (00314683)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 強制水泳試験 / 低線量X線 / アルコール / 酸化ストレス / 肝臓 / X線 / 肝障害 / 精神的ストレス |
Outline of Research at the Start |
福島第一原子力発電所の事故からの復興には,低線量放射線の健康影響を明らかにすることは重要である。また,福島第一原子力発電所の事故は,住民に大きなストレスを与えた。本課題では,より生活環境に近い条件を模擬した複数ストレス曝露の健康影響評価とその予防法について検討する。また,ビタミンC(酸化ストレスを抑制)投与し,各組織の酸化ストレス状態を評価することで,放射線と精神的ストレスの負荷後に影響を受けやすい臓器とそうでない臓器を見出すとともに,その予防法についても明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度,低線量・高線量率X線照射(約1.2Gy/m,総線量0.5Gy)と強制水泳試験(FST)後に,アルコール投与により肝臓に酸化ストレスを負荷した場合の肝障害の程度について検討した結果,アルコール投与6時間後の場合,肝機能の指標であるglutamic oxaloacetic transaminase(GOT)や glutamic pyruvic transaminase(GPT)活性は,アルコール投与に伴い増加した。FSTとアルコールを投与した場合,0.5Gy照射のGOT活性とGPT活性はsham(疑似)照射のそれに比べ高いことがわかった。そこで,今年度はアルコール投与24時間後の肝機能や抗酸化機能,線量依存性について検討した。 1群7匹とし,BALB/cマウス(8週齢,♂)の全身に0.1または0.5 GyのX線を照射した。また,対照は疑似照射した。その後,強制水泳試験を施した。これを1日1回10分間,5日連続で実施した。最後のFST終了後,50%エタノール(5.0 g/kg体重)を腹腔内投与した。最終処置から24時間後に安楽死させ,肝臓・血液を摘出し,肝機能や抗酸化機能の分析をした。 その結果,アルコール投与24時間後では,アルコール投与6時間に比べ,照射の有無および線量による有意差なく肝機能が改善した。FSTとアルコール投与6時間後では,抗酸化物質である総グルタチオン(t-GSH)量の減少したことから,酸化ストレスを受けたことがわかった。これに対して,FSTとアルコール投与24時間後では,低線量X線照射によりt-GSH量が増加(抗酸化機能が亢進)し,肝機能改善に寄与することが示唆できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
低線量放射線がアルコール投与と強制水泳試験に伴う肝臓への酸化ストレスの影響を評価できたため。さらに,他の臓器への影響についても一定の成果が得られつつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
低線量X線照射と強制水泳試験が及ぼす酸化ストレスの臓器依存性についてさらに検討する。
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)