Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
課題①「キラリティを用いた非対称, 擬対称分子結晶の作成と合成的手法による機能制御」について, 以下の2点を検討した。 ①-1:これまでに第4周期元素(Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Zn, Ga)の組み合わせに限られていた異核複核錯体分子を拡張することを目的とし, 第4周期外元素を用いた異核複核錯体の合成を試みた。結果, AlとRh, Inを導入したコバルトとの異核複核錯体[AlCo], [CoRh]および[CoIn]錯体の合成に成功した。これらについて磁気測定を実施した。[AlCo]は280 K, [CoRh]では225 Kを中心としたヒステリシスを伴った磁化率の変化がみられ, 原子価互変異性(VT)を示すことを明らかにした。 ①-2:対となるエナンチオマーをそれぞれ配位子とした金属の異なる単核錯体を共結晶とすることにより, 疑似ラセミックな極性結晶を得ることに成功した。具体的には[Co(R-L)](R-Lはキラル配位子LのR体)と[Ga(S-L)]または[Zn(S-L)]を1:1で混合し, 共結晶を作成した。もともとラセミ配位子の錯体[Co(rac-L)]は空間群C2/cの中心対称構造で結晶化していたが, 今回異種金属を混合することで鏡面対称性が失われ, 極性空間群C2で結晶化した極性共結晶を得た。加えて[Co(R-L)]がVT錯体であったことから, バルクな極性スイッチを示す結晶を得ることに成功した。 課題②「分子内電子移動に基づく焦電・強誘電特性の評価と新物性」について, 昨年度までに合成に成功していた[CoGa]錯体について, 開発・改良した光焦電測定サンプルマウントを用いることでより詳細な測定結果を得ることに成功した。光誘起準安定状態のトラップと緩和を利用した分極の光スイッチ及び焦電流の発生を新たな光―電気エネルギー変換機構として発表した。
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