Project/Area Number |
21K05928
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
|
Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
高須 伸二 国立医薬品食品衛生研究所, 病理部, 主任研究官 (00597891)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | 肝臓 / ラット / SOX9 / 胆管線維症 / フラン / 胆管 / 胆管がん |
Outline of Research at the Start |
胆管癌は肝障害を背景として肝細胞から発生する可能性が提唱されているが、その発生機序については解明されていない。本研究では胆管癌を発生させるフランの発がん過程早期において出現するSOX9発現肝細胞に着目し、SOX9発現肝細胞の特徴および胆管癌や前がん病変の起源細胞としての可能性を検証する。本研究により胆管癌の発生過程におけるSOX9発現肝細胞の意義を明らかにし、胆管癌の発生機序の機序解明を試みる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ラットに肝細胞がんと胆管がんを発生させる発がん物質であるフランが誘発する肝前がん病変の中にSOX9やCK19などを発現する胆管上皮様の特徴を有する細胞が混在し、このような特徴を有する細胞は胆管がんが発生しない発がん物質では存在しないこと、そしてラット胆管がんの前がん病変である胆管線維症の周囲に形態学的には成熟した肝細胞であるにも関わらずSOX9を発現する細胞が出現することに着目し、発がん過程において出現するSOX9発現肝細胞の生物学的特徴や細胞動態を検証することで、胆管がんの発生過程におけるSOX9発現肝細胞の意義を解明し、発がん機序を理解することを目的とする。これまでにフラン投与後のラット肝臓におけるSOX9発現肝細胞を経時的に検討した結果、SOX9陽性肝細胞は胆管線維症や胆管増生が認められる前のごく早期から出現し胆管線維症の進展に伴い増加する傾向がみられたことから、SOX9発現肝細胞はフラン誘発胆管病変の発生に関与する可能性が疑われた。今年度はSOX9発現肝細胞の特徴を免疫組織化学的に検討した結果、胆管上皮細胞マーカーCK19の発現は胆管線維症内に認められる胆管上皮様細胞ではみられたが、胆管線維症周囲のSOX9発現細胞では認められなかった。また、本実験条件下ではSOX9の発現亢進が見られたものの肝前がん病変の形成は認められなかった。このことから、胆管線維症の進展に伴い認められるSOX9の発現は肝前がん病変で認められたSOX9の発現と異なる機序で誘導されている可能性が考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
胆管がん発生過程におけるSOX9発現肝細胞の動態を検討する目的で、フラン投与後のラット肝臓におけるSOX9発現肝細胞を経時的に検討し、SOX9陽性肝細胞が胆管線維症や胆管増生が認められる前のごく早期から肝傷害部位周囲に出現することを見出した。また、SOX9発現肝細胞における胆管上皮細胞マーカーや肝前がん病変マーカーの発現を免疫組織化学的に検証し、SOX9発現細胞の生物学的特徴を検討した。一方、SOX9発現肝細胞の胆管がんの起源細胞としての可能性を検証するための解析については解決すべき課題があった。
|
Strategy for Future Research Activity |
SOX9発現肝細胞は胆管線維症や胆管増生が生じる前のごく早期から肝傷害部位の周囲に出現し、胆管線維症の進展に伴って増加する傾向がみられた。一方、胆管上皮細胞マーカーCK19の発現は胆管線維症内の胆管上皮様細胞ではみられたが、胆管線維症周囲のSOX9発現細胞においては認められず、肝前がん病変の形成は認められなかったことから、胆管線維症の進展に伴い認められるSOX9の発現は肝前がん病変で認められたSOX9の発現と異なる機序で誘導されている可能性が考えられた。今後、SOX9発現肝細胞における細胞分化マーカーや細胞増殖マーカー等の発現等を免疫組織化学的に検討し、SOX9発現肝細胞の分化状態ならびに細胞動態をさらに検討する予定である。
|