雌マウスを用いた新たなうつ病モデルの開発と病態解析
Project/Area Number |
21K05998
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42040:Laboratory animal science-related
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
伊藤 日加瑠 香川大学, 医学部, 准教授 (50587392)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 神経科学 / 精神疾患 / うつ病 / モデル動物 |
Outline of Research at the Start |
近年のうつ病患者増加による社会的経済損失は膨大なものとされ社会問題化してきたが、現在の主なうつ病治療薬では、効果のない症例が半数以上にも及ぶ。 そのため、新たな抗うつ薬の開発が急務となっているが、その病態メカニズムの解析は未だ十分ではない。その理由の一つとして、これまでの多くのうつ病研究では雄の動物モデルが用いられてきたことが挙げられる。ヒトでのうつ病罹患率は男性より女性の方が2倍程度高いが、雌を用いたうつ病モデル動物は未だ最適なものが確立されていない。 そこで、本研究において雌マウスを用いた最適なうつ病モデルを開発し、女性のうつ病患者の脳内で起こる複合的な病態を捉える。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、うつ病患者の増加が社会問題となっているが、現在の主なうつ病治療薬であるSelective serotonin reuptake inhibitors (SSRI)では、投薬期間として2~4週間も必要であり、しかも、効果のない症例が半数以上にも及ぶ。そこで、新たな抗うつ薬の開発が急務となっているが、その病態メカニズムの解析は未だ十分ではない。 その理由の一つとして、ヒトでのうつ病罹患率は男性より女性の方が2倍程度高いが、雌を用いたうつ病モデル動物は最適なものが確立されていないことが挙げられる。そこで、本研究課題において、雌マウスを用いた新たなうつ病モデルを開発し、その病態メカニズムを解析する。 研究代表者らは、現在までに、雄の慢性社会的敗北ストレス負荷うつ病モデルマウスを用いた実験により、新たなうつ病の病態機序とその病態に寄与する鍵分子Proprotein convertase subtilisin/kexin type5 (Pcsk5) を見出した(Ito et al., Neuropsychopharmacology, 2021)。これらの病態において性差が存在するのか検証する際にも最適な雌のうつ病モデルの開発が必須となる。 研究代表者らは2022年度までに、新たな雌のうつ病モデル作製方法を検証しており、その結果として、効果的にうつ病様症状を示すモデル雌マウスの作製法を確立することが出来たと考えている。2023年度には、得られた新規うつ病モデル雌マウスの脳組織を用いた病態解析を順次進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度の目標は、新たな雌のうつ病モデル作製方法の確立と病態の解析であり、最低限の目標である新たな雌のうつ病モデル作製方法の確立については、おおむね達成することが出来た。 しかし、2021年度に研究代表者の香川大学移動と実験室の立ち上げがあったために、当初の実験計画よりやや遅れが生じた。また、移動後の香川大学における共通機器室では、本計画の病態解析に用いる予定の機器が整備されていなかったため、2022年度に追加で機器を購入した。そのため、これまでの進捗としては若干の遅れが生じている。ただし、すでに実験室や機器等の準備状況は整い、2022年度に予定していた実験の不足分については2023年度に実施可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度実施予定であった脳組織を用いた病態解析について2023年度に進めていく。また、本計画は2023年度が最終年度であることから、これまでに得られた成果である、新たな雌のうつ病モデル作製方法について発表を予定している。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)