局所細胞外リン脂質代謝による全身的代謝免疫変容の新規調節機構
Project/Area Number |
21K06063
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43030:Functional biochemistry-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 弘泰 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (50546629)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | リン脂質代謝 / ホスホリパーゼA2 / 脂肪酸 / リゾリン脂質 / メタボリックシンドローム |
Outline of Research at the Start |
本研究計画ではリン脂質代謝酵素ホスホリパーゼA2(PLA2)分子群、特に細胞間連携を担う分泌性酵素sPLA2を切り口として、細胞外リン脂質代謝によるメタボリックシンドローム制御の新機軸の創成を目指す。すなわち、従来の概念とは異なる視点からsPLA2群による代謝調節の新しいメカニズムの解明を試みる。具体的には、(1)褐色脂肪細胞に発現誘導されるsPLA2によるエネルギー代謝調節、(2)上皮組織と代謝組織を結ぶ遠隔臓器連関に着目し、多系統のsPLA2欠損マウスをツールとして、sPLA2を起点として動員される脂質代謝経路とそれによる代謝調節の新規メカニズムを解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、sPLA2による脂質代謝を基軸としたメタボリックシンドロームの制御機構を解明する。特に、(1)褐色脂肪細胞に基づくエネルギー代謝と(2)遠隔組織変容に基づく代謝調節に着目し、細胞間情報伝達酵素sPLA2群による代謝制御の新機軸を開拓する。 (1)褐色脂肪細胞に基づくエネルギー代謝調節:sPLA2-IIEは寒冷刺激の褐色脂肪細胞で著しく発現誘導される。全身性sPLA2-IIE欠損マウスはβ3アドレナリン受容体作動薬投与によるUCP1を介した熱産生が抑制され、sPLA2-IIE欠損マウス由来褐色脂肪細胞はβ3アドレナリン受容体作動薬添加によるUcp1の発現誘導が抑制された。 (2) 遠隔臓器変容に基づく代謝調節 表皮から代謝への遠隔変容について:皮膚特異的sPLA2-III欠損マウスに寒冷刺激を行うと白色皮下脂肪組織において熱産生関連遺伝子の発現が上昇しており白色脂肪細胞のベージュ化が亢進していた。 大腸から代謝への遠隔変容について:sPLA2-X欠損マウスの大腸のリピドミクス解析の結果、HFD負荷sPLA2-X欠損マウスでは野生型マウスと比較して高度不飽和脂肪酸やリゾリン脂質が有意に減少していた。sPLA2-X欠損マウスの肥満・インスリン抵抗性の表現型は、野生型マウスとの同居飼育(co-housing)や抗生物質の投与により消失した。sPLA2-X欠損マウスと野生型マウスの腸内細菌叢を比較解析すると、HFD負荷sPLA2-X欠損マウスでは、Clostridium属の一部に減少が見られた。またHFD負荷sPLA2-X欠損マウスでは野生型マウスと比べ血漿や糞便中の短鎖脂肪酸が減少していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記したように研究は計画通りに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)褐色脂肪細胞に基づくエネルギー代謝調節 脂肪細胞特異的sPLA2-IIE欠損マウスにおける褐色脂肪細胞の機能評価を行うとともに寒冷刺激によって発現誘導されるsPLA2-XIIAの全身欠損マウスについて褐色脂肪細胞の機能評価を行う。 (2)遠隔臓器変容に基づく代謝調節 表皮から代謝への遠隔変容について:皮膚特異的sPLA2-III欠損マウスの表皮にリピドミクスを展開するとともに、当該脂質受容体の皮膚特異的欠損マウスを用いることで、脂質を介して皮膚バリアの調節から肥満制御に結びつく動作原理を解明する。 大腸から代謝への遠隔変容について:全身性sPLA2-X欠損マウスにおいて血漿、糞便中の短鎖脂肪酸の減少、大腸のω3脂肪酸減少が全身性sPLA2-X欠損マウスにおける肥満の原因であると想定し、全身性sPLA2-X欠損マウスに短鎖脂肪酸、ω3脂肪酸を与え表現型が消失するか検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Hepatic phosphatidylcholine catabolism driven by PNPLA7 and PNPLA8 supplies endogenous choline to replenish the methionine cycle with methyl groups2023
Author(s)
Hirabayashi T, Kawaguchi M, Harada S, Mouri M, Takamiya R, Miki Y, Sato H, Taketomi Y, Yokoyama K, Kobayashi T, Tokuoka SM, Kita Y, Yoda E, Hara S, Mikami K, Nishito Y, Kikuchi N, Nakata R, Kaneko M, Kiyonari H, Kasahara K, Aiba T, Ikeda K, Soga T, Kurano M, Yatomi Y, Murakami M.
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Journal Title
Cell Rep .
Volume: 42
Issue: 1
Pages: 111940-111940
DOI
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Peer Reviewed / Open Access
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