Development of unexplored molecular transformations based on dearomative Diels-Alder reactions
Project/Area Number |
21K06466
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47010:Pharmaceutical chemistry and drug development sciences-related
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Research Institution | University of Toyama (2022) Kobe Pharmaceutical University (2021) |
Principal Investigator |
沖津 貴志 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 准教授 (50441209)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | Diels-Alder / 脱芳香族化 / アルキン / ナフタレン / チオフェン / ドミノ反応 / タンデム反応 |
Outline of Research at the Start |
芳香環をジエンとして直接利用する脱芳香族的Diels-Alder反応は、芳香環が安定であるがゆえに一般的には進行しにくく、高反応性芳香環もしくは高反応性ジエノフィルを用いた反応例に限定される。今回、低反応性芳香環をジエンとして直接利用する低反応性のアルキンとの脱芳香族的Diels-Alder反応を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
芳香環をジエンとして直接利用する脱芳香族的 Diels-Alder(以下DA)反応は、多環式化合物を合成する上で有力な手法となる。しかし、芳香環が有する高い芳香族安定化エネルギーを乗り越える脱芳香族化反応は一般的に難しいため、ジエンとして利用可能な芳香環や求ジエン体に用いるアルキンは、高反応性のものに限られる。分子内反応の場合では、反応性が高くない芳香環(ナフタレンやチオフェンなど)と低反応性アルキンとの組み合わせでもDA反応は進行するが、収率が低い、基質適用範囲が狭い、過酷な条件(高温高圧)を要する等の問題点があり、報告例も少ない。私は、芳香環をDA反応のジエンとして直接利用する低反応性アルキンとの脱芳香族的 DA 反応を開発することを目的として研究に着手した。今回、芳香環とアルキンが効果的に接近できるような基質を設計・合成し、その分子内DA反応について評価・精査した。その結果、芳香環とアルキンが効果的に接近できるのに適したテザー(連結部位)を見出し、常圧下でも首尾よく進行する脱芳香族的 DA反応の実現に至った。本研究成果は、これまで難しいとされていた脱芳香族的DA反応を可能とした点に意義がある。現在、ナフタレンやチオフェンが本DA反応のジエンに適用可能な芳香環であることを確認している。本発見を端緒とし、DA反応に利用可能な芳香環の種類やテザーが格段に増え、さらには多環式骨格を有する有用物質の合成に幅広く応用できるものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
芳香環と低反応性アルキンとのDA 反応の一般性解明を目指して鋭意検討し、以下3点について成果を上げた。 (1) ナフトールのジエンとして直接利用する脱芳香族的DA反応を開発した。しかし、DA前駆体であるナフトール類の合成が難しいため、基質適用範囲は限定的となった。 (2) ナフトールに代わる新たなジエンとして、ヒドロキシ基を保護したメトキシナフタレンをジエンとして直接利用する脱芳香族的DA反応を開発した。さらに反応条件を変えることで、後につづくドミノ反応(脱メチル化反応もしくは逆DA反応)の切り替えが可能であることも見出した(日本薬学会第143年会 27F2-am06)。 (3) 低反応性芳香環であるチオフェンをジエンとして直接利用するアルキンとの脱芳香族的DA反応/脱硫反応を開発した。本反応ではDA体から自発的に遊離した硫黄が副反応を引き起こすことが問題となったが、ホスフィン類を添加することで硫黄を効率的に捕捉できることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
メトキシナフタレンおよびチオフェンをジエンとするDA反応を開発済みであるが、反応例が各15例に留まっているため、更なる基質一般性について検討する。また、脱メチル化の反応機構を解明するとともに、メトキシ基の有無による反応性の差異についても検討する。さらに、本反応を用いる有用物質の合成も実施予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)