グルココルチコイド代謝酵素を標的とした疫学的手法による糖尿病の合併症予防戦略
Project/Area Number |
21K06645
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47060:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
島ノ江 千里 佐賀大学, 医学部, 教授 (10734064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 明子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (10330979)
田中 恵太郎 佐賀大学, 医学部, 教授 (50217022)
原 めぐみ 佐賀大学, 医学部, 准教授 (90336115)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 糖尿病 / HbA1c / 11βHSD / DNAメチル化 / 高血圧 / コホート研究 / 不眠症 / Metylation / 人工透析 / コルチゾール / コルチゾン |
Outline of Research at the Start |
本研究は、コルチゾールの代謝調節不全が「糖尿病における合併症のリスク要因」となるかについて明らかにするために、糖尿病患者における血糖コントロール不全、高血圧、脂質異常症、肥満などの合併症リスク要因と11β-ステロイド脱水素酵素(11β-HSD)活性を反映する尿中マーカー、および心血管疾患の発症との関連について、約1万人の一般住民を対象に調査する。 その結果により、11β-HSDの調節機構に着目した創薬研究の基盤となるエビデンスが得られれば、薬物療法と生活習慣の是正を含めた包括的な糖尿病の合併症予防戦略の構築に寄与することが期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、コルチゾール代謝調節不全と糖尿病の合併症リスクのと関連について、一般住民コホート研究に基づいて検討するものである。 2022年度は、糖尿病患者での睡眠薬の服用率が高かったことから、糖尿病罹患と合併症の間に不眠症が介在する可能性も考え、不眠症治療の長期的予後についての検討も行った。その結果、不眠症治療を受けている者の死亡リスクは高く、特に循環器疾患による死因が高いことを明らかにした。さらに、男性、60歳未満の死亡リスクが高いという特異的な関連も報告した。 一方、コルチゾール代謝活性を反映する尿中コルチゾール/コルチゾン比に影響する可能性があるメチル化部位とHbA1cとの関連について検討したところ、いくつかの部位のメチル化率と有意な関連が示された。具体的には、コルチゾール/コルチゾン比が11βHSDの活性化を反映しているという報告から、CYP11B1の6つのCpGアイランドのメチル化とHbA1cとの関連を検討した。その結果、高いHbA1cレベルと関連するCYP11B1のメチル化部位としてcg25376393を見出した。 今後は罹患調査を継続しながら、糖尿病罹患後の合併症のリスク因子とともにメカニズムを明らかにする検討を行う。糖尿病に罹患した対象者における心血管疾患や糖尿病腎症につながる仮説として、糖尿病の罹患による11βHSD調節不全が、高血圧の発症に関与している可能性を考えている。したがって、糖尿病患者における高血圧症の発症において尿中コルチゾール/コルチゾン比が予測マーカーとして活用できるかについて検討する。この検討により、糖尿病の重篤化あるいは合併症予防に向けた疫学的エビデンスを明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
母体となるコホートの罹患調査は順調にすすめられており、2022年度は糖尿病患者の重篤化に関与するメカニズムの解明へのひとつの検討として候補遺伝子のメチル化解析も実施した。糖尿病罹患とGC比との関連に高血圧の発症が関与するについての解析へと進めていくことができるめどがついた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は最終年度であるため、測定データ、調査データを固定したのちに、糖尿病の罹患後に高血圧の合併した対象者におけるバイオマーカーの意義を検討し、論文化や学会発表を行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Association of perceived stress and coping strategies with the renal function in middle-aged and older Japanese men and women.2022
Author(s)
Koga K, Hara M, Shimanoe C, Nishida Y, Furukawa T, Iwasaka C, Tanaka K, Otonari J, Ikezaki H, Kubo Y, Kato Y, Tamura T, Hishida A, Matsuo K, Ito H, Nakamura Y, Kusakabe M, Nishimoto D, Shibuya K, Suzuki S, Watanabe M, Ozaki E, Matsui D, Kuriki K, Takashima N, Kadota A, Arisawa K, Katsuura-Kamano S, Takeuchi K, Wakai K.
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Journal Title
Sci Rep.
Volume: 12
Issue: 1
Pages: 291-291
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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