ラット腹膜中皮腫検体でのマイクロサテライトマーカーを用いるゲノム欠失解析
Project/Area Number |
21K06968
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49030:Experimental pathology-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡崎 泰昌 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (30403489)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 中皮腫 / ラット動物モデル / マイクロサテライト |
Outline of Research at the Start |
アスベスト線維の国内消費量と悪性中皮腫発症患者数の相関が疫学的に示され、本邦で患者数の増加が危惧されている。中皮腫の発症にメチル化やゲノム安定性に関連する分子が重要であることが明らかになって来ている。研究代表者が所属する研究室で、種々の線維状発がん物質を用いBrown-NorwayとF344のF1 hybrid ratに腹膜中皮腫を作成してきた。これらの凍結保存検体やパラフィン包埋切片を用いてマイクロサテライト解析を行うことで、LOH(loss of heterozygosity)やホモ欠失の有無を検討する。新しい中皮腫感受性領域の有無を検討し、中皮腫の治療法開発の基礎となることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
ヒト悪性中皮腫で高頻度に見られる遺伝子異常は、CDKN2A/2B(Cyclin-dependent kinase inhibitor 2A/2B)の欠失、NF2(neurofibromatosis type 2, merlin)の欠失や遺伝子変異、BAP1(BRCA1-associated protein) 遺伝子変異が知られている。報告者が所属する研究室で行ったaCGH(array-based comparative genomic hybridization)によるラット悪性腹膜中皮腫でもCdkn2a/2bはゲノム欠失が高頻度に起き、Nf2もゲノム欠失が見られた。一方、Bap1の欠失は明らかに少なかった。ヒト悪性中皮腫ではBap1は遺伝子変異や小領域の欠失による機能喪失がしばしばみられ、良質な抗体が市販されていることもあり、FISH(fluorescent in situ hybridization)より免疫染色による蛋白分子の解析が施行されている。一方、CDKN2A/2B領域の欠失の有無は、免疫染色よりもFISHが推奨されている。そのため、Cdkn2a/2b領域が存在する5番染色体や、Nf2領域が存在する14番染色体を中心にPCR法によるF1 hybrid rat [Brown-Norway, Fischer344 (F344)] 由来悪性腹膜中皮腫のマイクロサテライト解析を行った。クロシドライト、クリソタイル、トレモライトといったアスベスト線維や多層カーボンナノチューブにより異なるゲノム欠失パターンが見られたが、中皮腫を自然発症しやすいF344由来母ゲノム欠失への偏りは明瞭ではなく、検体を追加する予定である。また、鉄化合物など中皮腫発がんを来す物質による中皮腫検体も追加検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PCRの条件検討は行っており、これから多くの染色体についてマイクロサテライトマーカー解析を行い、中皮腫との関連があまり知られていない染色体部位においても、LOHや偏りの有無について検討を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
F1ラット由来腹膜中皮腫の検体を追加することで、ラット種によるLOHを生じる部位の偏りの有無や、発がんの原因となるアスベスト線維の種類やカーボンナノチューブの種類によりLOHの偏りを生じるかどうかについて、より詳細な検討を行う。また、分子マーカーの発現の有無を免疫染色により解析し、パラフィン包埋薄切切片からDNAを抽出する。このDNAを用い、Cdkn2a/2b領域の欠損の有無やNf2領域のLOHの有無をPCRにより解析する条件検討を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)