Project/Area Number |
21K07799
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
松重 武志 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (60528941)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 急性弛緩性脊髄炎 / メタゲノム解析 / ウイルス / エンテロウイルスD68 |
Outline of Research at the Start |
わが国では2015年と2018年に急性弛緩性脊髄炎を発症した子どもが全国各地で報告された。生来健康な子どもが、急に手足を動かさなくなることで気付かれる。特定のウイルスが原因と推測され、今後も定期的な再流行が懸念されている。しかし、神経の周囲にある脳脊髄液からはウイルスが検出されず、何がどのようにしてこの病気を起こすのかわかっていない。また、この麻痺はほとんど回復せず、有効な治療法はみつかっていない。 この研究では、ヒト神経組織を用いて原因ウイルスを特定し、ヒトの病気に近い新たな動物モデルを作成し、病態解明と予防法・治療法の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
急性弛緩性脊髄炎は、本邦では2015年より報告され始めた新興感染症である。エンテロウイルスD68感染症との関連が示唆されているが、その根拠は、in vivo実験、感染症流行疫学、急性弛緩性脊髄炎患者の気道からの検出ウイルス等によるものであり、直接ヒト神経組織での感染証明はなされていない。 本研究では、急性弛緩性脊髄炎患者の遠隔期神経移行術時、末梢神経検体を用いて、メタゲノム次世代シーケンサー解析による網羅的ウイルス検出を行い、原因ウイルスを探索するとともに、副次的評価として病態解明の一助とするためトランスクリプトーム解析を行った。 ウイルス特異的配列として、2578種の RNA-dependent RNA polymerase、および、急性期に気道から検出されることのあるEnterovirus A71, D68, Coxsackievirus A4, A16を参照し、解析したところ、5例中4例でEnterovirus D68, A71, またはCoxsackievirus A4が検出された。これは麻痺残存側か健側(もしくは軽度麻痺側)か、その程度によらず検出された。一方、環境中のウイルスも多数検出され、病原体としての特定のため別の解析方法を検討中である。また、トランスクリプトーム解析によりパスウェイ解析を試みたが、完全な健側と患側の分離が難しく、比較対象と結果の解釈のために、さらなる解析が必要となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒト神経検体を用いたウイルス検索は一定の成果が得られたが、一方で治療法開発のための新規マウスモデル作成実験に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
次世代シーケンサー解析については、ウイルスゲノム全体での再解析を行いつつ、また新しい多数の病原体同時検出のためのキットを用いて、解析を進める。その上で、病原ウイルス検出側と非検出側の比較としてパスウェイ解析を試み、病態解明の一助とする。 in vivo実験については、喘息感作を利用した新規急性弛緩性脊髄炎モデルマウスを開発し、予防法および発症後の細胞治療の有用性について検討する。
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