造血不全における造血支持細胞異常と赤芽球島形成障害の解明
Project/Area Number |
21K08365
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54010:Hematology and medical oncology-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小原 直 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70422178)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 造血不全 / Nestin / 造血支持細胞 / 赤芽球 / マクロファージ / GFAP / 網羅的遺伝子解析 / Nestin陽性細胞 / 赤芽球島 |
Outline of Research at the Start |
骨髄異形成症候群や再生不良性貧血に代表される造血不全症候群は難治性疾患であり、血液細胞だけでなく環境要因である造血微小環境も原因に関与している可能性がある。造血機構に関する研究が進み、造血微小環境の重要性が明らかになってきているものの、各系統における造血微小環境構成細胞やその役割についてはまだ研究が進んでいないのが現状である。 また、ヒト骨髄において造血支持細胞・骨髄ニッチがどのように赤芽球造血を制御しているのかについては未だ不明であり、その病態解明は造血不全の病態解明に重要と考えられる。本研究では、血球系列特異的な造血支持機構に着目し、赤芽球島形成の制御機構を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
(1) ヒトコントロール骨髄及びMDS患者由来骨髄における、Nestin陽性細胞の解析:Nestin陽性細胞は、血管壁を構成細胞として描出されたが、CD34あるいはCD31陽性の血管内皮細胞とは明確に異なり、血管内皮細胞と隣接して血管壁を構成している様子が観察された。一方、MDS患者骨髄では、血管壁構成とは関連しないNestin陽性細胞が多数観察された。繊維化を伴うMDSにおいて、高頻度にNestin陽性細胞が増加していたが、繊維化を認めないMDSでは増加した症例はなかった。再生不良性貧血患者検体でも検討したが、Nestin陽性細胞が増加している症例は認めなかった。さらにこれらの細胞では神経線維を取り囲むような構造を示しており、シュワン細胞類似の構造と考えられた。Nestin発現細胞・シュワン細胞が増加している骨髄では、高度な繊維化を認めており、造血支持細胞の異常と骨髄繊維化に関係性があると考えられた。これらの骨髄ではGFAP陽性細胞も増加している症例を複数認めた。現在、健常人骨髄とMDS患者骨髄を用いてNestin陽性細胞のRNAseq解析を試みているが、症例数が稀少であることと解析に耐えるサンプルの精製に難渋している。 (2)健常と考えられる骨髄と造血不全患者の赤芽球島形成能の解析を試みている。サンプル収拾が難しいこともあり、条件検討後に少数例で解析したところ、MDSマクロファージと健常赤血球の組み合わせでは、一部の症例で赤芽球島形成能が低下している。MDSの病型との相関の解析およびおよび他の造血不全での解析を今後試みる。 (3)ヒト骨髄穿刺検体由来の骨髄単核球から微量に単離可能な非造血系細胞をNGFR, CD146, Thy1等を指標として、ヒト骨髄ニッチ細胞のコンポネントを細分化して採取するシステムを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
造血不全疾患は稀少疾患が多く、かつヒト骨髄の採取を頻回に行うことは難しい。また、熟練の実験補助の確保も課題である。過去のパラフィン固定検体を用いた解析は比較的容易にサンプルを収集できることから、免疫染色については順調に行っているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
造血不全は稀少疾患が多く、ヒトを対象とする場合はサンプル収拾と再現性の確保が問題である。本研究には多数の検体が必要であるため、近隣の施設にも協力してもらい、患者を紹介してもらうなどの方策を検討している。実験補助などの人員は確保でき、経験も積めつつあるので、サンプル処理などについては今後行いやすくなることが期待される。一方で、ヒトデータの補完のためにマウス実験も再度並行して行うことも検討している造血不全サンプルは極めて貴重なため、確実な解析ができるように現在十分な条件検討を行っている。再現性が確実に得られれば、速やかに本解析を行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(48 results)
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[Journal Article] Overview2021
Author(s)
小原 直
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Journal Title
Rinsho Ketsueki
Volume: 62
Issue: 5
Pages: 370-370
DOI
NAID
ISSN
0485-1439, 1882-0824
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[Presentation] Clinical Significance of Small PNH-Type Cell Populations in Bone Marrow Failure Syndromes - an Interim Analysis of Japanese Multicentrer Prospective Study -2021
Author(s)
Yasutaka Ueda, Kohei Hosokawa, Ken Ishiyama, Hiroyuki Takamori, Yuji Yonemura, Naoshi Obara, Hideyoshi Noji, Kiyoshi Ando, Tsutomu Shichishima, Takayuki Ikezoe, Shigeru Chiba, Haruhiko Ninomiya, Tatsuya Kawaguchi, Jun-ichi Nishimura, Yuzuru Kanakura, Shinji Nakao
Organizer
63rd ASH Annual Meeting and Exposition
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