Project/Area Number |
21K08733
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
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Research Institution | Sapporo Medical University (2022-2023) Osaka University (2021) |
Principal Investigator |
市原 もも子 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (50835246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥崎 大介 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授(常勤) (00346131)
山本 浩文 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30322184)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 癌幹細胞 / プロテアソーム / 小胞体ストレス反応 / 大腸癌 / LncRNA01534 / 小胞体ストレス |
Outline of Research at the Start |
LncRNAはホメオスタシスの維持や癌細胞の生存において重要な機構であるが、小胞体ストレス応答とlncRNAの関わりは、未だ殆ど解明されていない。我々はプロテアソーム活性が極度に抑制された細胞でLINC01534が特異的に高発現することを発見した。独自の臨床検体とpublic データベースにおいて、LINC01534の高発現は大腸癌の予後不良と密接に関わることが明らかとなった。今後、LINC01534が、小胞体ストレス応答の制御を介して、大腸癌進展に関わるメカニズムの全貌を明らかにし、次世代のノンコーディングRNAを標的とした新たな治療開発につなげることを計画している。
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Outline of Annual Research Achievements |
小胞体ストレス応答は、ホメオスタシスの維持や癌細胞の生存に重要である。小胞体ストレス応答と癌幹細胞性とは、大腸正常上皮や大腸癌において相反的に制御されていることが報告されているが、そのメカニズムは明らかでない。我々も小胞体ストレス誘導剤であるThapsigarginによって小胞体ストレス応答は活性化し、癌幹細胞性は低下することを確認した。本研究では、プロテアソーム活性が低下して幹細胞様性質を示す大腸癌細胞ではLINC01534(long non-coding RNA01534)が過剰発現していることに着目した。LINC01534のノックダウン(KD)後のRNAseqにより小胞体ストレス経路の変化が最上位に複数挙がったことから、ウエスタンブロットで蛋白レベルでの検索を行いKDによってリン酸化eIF2α、ATF4といったPERK経路の構成分子の蛋白発現が亢進することを見出した。更にGlutamineや Glucoseを欠いた飢餓状態においては小胞体ストレス応答反応が一層増強されたことから、LINC01534はストレス応答反応を抑制することが示唆された。他方、蛋白分解に働くプロテアソーム活性の低下は小胞体ストレス応答を活性化することが報告されている。我々もプロテアソーム阻害によってリン酸化eIF2αが亢進することを確認した。しかし、LINC01534のKDによってもプロテアソーム活性は変化せず、スフェアー形成能、各種ステムマーカー発現、抗癌剤 (5-FU) 感受性などの実験から癌幹細胞性質が低下したことから、LINC01534はプロテアソーム非依存性に癌幹細胞性を亢進ないしは維持することが分かった。以上の所見から、LINC01534は癌幹細胞性とストレス応答を逆に制御するkey分子であると考えられた。更にLINC01534発現は大腸癌患者の予後不良因子となることがわかった。
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