Project/Area Number |
21K08935
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55050:Anesthesiology-related
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
岩崎 雅江 日本医科大学, 医学部, 教授 (20744428)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 篤裕 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (30196084)
石川 真士 日本医科大学, 医学部, 教授 (30714745)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | 麻酔薬 / 癌細胞生理 / ACE2 / 局所麻酔薬 / HIF-1α / WNT1経路 / 静脈麻酔薬 / mRNA / HIF1α / miRNA |
Outline of Research at the Start |
癌は死因の第1位であり、全身麻酔下での外科的切除が治療の第一選択である。しかし手術中の麻酔薬が残存癌細胞に作用し、術後転移へ影響する可能性が示唆されている。癌再発予測マーカーとして、癌組織内のアンギオテンシン転換酵素2(ACE2)と低酸素誘導因子(HIF1α)が知られているが、この2因子間の相互作用、麻酔薬投与後のACE2発現変化は解明されていない。 本研究では「麻酔薬投与後のACE2系の変化が癌細胞生理変化を誘発する」と仮定し、麻酔薬投与による腫瘍予後への影響を解明する。本研究でACE2およびHIF1α制御系が解明されれば、新たな癌治療法に繋がりうる。癌手術の麻酔方法も最善策を提供できうる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「臨床用量の各種麻酔薬が培養ヒト癌細胞生理にどのように影響するか」を検討した。 ヒト肺癌A549細胞では、ロピバカイン投与が濃度依存性に細胞増殖と遊走を抑制し、ACE2発現を増強、HIF1α発現を減弱した。ACE2ノックダウンでロピバカイン付加の効果はキャンセルされた。PCRアレイは、ロピバカイン投与群、ACE2ノックダウン群が特異的な遺伝子変化パターンを示し、ロピバカインの癌抑制効果はWNT1経路抑制によると示唆された。プロポフォール、ミダゾラム投与も濃度依存性に細胞増殖と遊走能を抑制し、ACE2発現を増強、HIF1α発現を減弱した。レボブピバカイン投与ではWNT1遺伝子が濃度依存性に抑制され、その効果はACE2ノックダウン群ではキャンセルされた。 ヒト腎明細胞癌細胞(RCC-4細胞)では、ロピバカイン投与が濃度依存性に細胞増殖と遊走を抑制し、ACE2発現を増強、HIF1α発現を抑制した。PCRアレイは、ロピバカイン投与群、ACE2ノックダウン群で特異的な遺伝子変化パターンを示した。レボブピバカイン投与群も濃度依存性に細胞増殖と遊走を抑制したが、効果はロピバカイン投与群の方が強かった。 腸管癌細胞(MELS細胞、ss-2細胞)では、ロピバカイン、レボブピバカイン投与は細胞増殖を抑制したが、代謝は変化しなかった。プロポフォール、ミダゾラム投与は濃度依存性に細胞増殖と代謝を抑制した。 上記から「A549細胞とRCC-4細胞では、レボブピバカイン、ロピバカインはACE2発現を介してHIF-1αを抑制し、癌抑制効果を示す」「A549細胞ではロピバカインはACE2発現増強を介してWNT1経路を抑制する」「腸管癌細胞(MELS細胞、ss-2細胞)ではロピバカイン、レボブピバカイン、ミダゾラム、プロポフォールは細胞増殖や代謝に作用し、ACE2発現を変化させる」ことが示された。
|
Report
(3 results)
Research Products
(1 results)