敗血症における血管内皮細胞で産生されるsFlt-1の役割の解明
Project/Area Number |
21K09031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55060:Emergency medicine-related
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
池田 崇之 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (00374942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米倉 秀人 金沢医科大学, 医学部, 教授 (80240373)
吉冨 泰央 金沢医科大学, 医学部, 講師 (80399039)
高辻 英仁 (齋藤) 金沢医科大学, 医学部, 助教 (40768959)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | sFlt-1 / 血管内皮細胞 / LPS / 敗血症 / 血管内皮 / VEGF / VEGFR-1 |
Outline of Research at the Start |
重症敗血症や敗血症性ショックにおいて血管内皮障害が多臓器不全への進展に重要な役割を果たしている。敗血症患者では、血管内皮増殖因子VEGFの可溶型受容体であるsFlt-1の血中濃度が重症化に伴い上昇しているが、敗血症の進展と重症化におけるsFlt-1の役割は明らかになっていない。本研究では、血管内皮細胞特異的sFlt-1ノックダウンマウスを作成し、敗血症モデルで敗血症の進展や重症化を解析することで、 sFlt-1が敗血症の重症化にどのように作用するかを明らかにする。 また、敗血症でのsFlt-1産生メカニズムを解明し、敗血症で産生されているsFlt- 1の病理的意義を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
敗血症患者では、血管内皮増殖因子VEGFの可溶型受容体であるsFlt-1の血中濃度が重症化に伴い上昇しているが、敗血症の進展と重症化におけるsFlt-1の役割は明らかになっていない。sFlt-1の主要産生臓器である血管内皮細胞特異的にsFlt-1をノックダウンするマウスを作成し、敗血症モデルによりsFlt-1の役割を解明する。 敗血症におけるsFlt-1の役割を直接解析するために、血管内皮細胞特異的、かつ時期特異的にsFlt-1をノックダウンできるシステムを構築した。テトラサイクリン依存的にmiRNAを発現するために、Fellmannら(Cell Rep. 2013)が構築したシステムを参考に発現ベクターを作製した。このベクターでは、テトラサイクリン依存的にGFPが発現し、その3'UTRにあるmiRNAが機能する。マウスsFlt-1安定発現Tet-on細胞にレンチウイルスによりmiRNAを発現させ、GFP発現細胞をソーティングにより選択した後、マウスsFlt-1 mRNAをqPCRにより解析した。2種類のmiRNA配列で、いずれも3割り程度まで発現が抑制されていることが確認された。タンパク質レベルを確認後、トランスジェニックマウス作成に進む予定である。 sFlt-1の産生を制御するタンパク質の同定を行った。sFlt-1産生制御配列付近のRNA配列をプローブにして、結合するタンパク質を質量分析により解析したところ、3種類のRNA結合タンパク質が候補として同定された。それぞれの遺伝子をクローニングし、初代培養ヒト微小血管内皮細胞に過剰発現させたところ、タンパク質XがsFlt-1の発現を抑制したことから、タンパク質XがsFlt-1産生制御因子の可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
sFlt-1ノックダウントランスジェニックマウスを作成するにあたり、テトラサイクリン誘導システムが確実に機能するかどうかが重要であり、in vitroの実験系でmiRNAの効果を実証するのに時間を費やしたためやや遅れる結果となった。sFlt-1産生制御機構の解明に関しては、新規制御因子タンパク質Xを同定できたことから、おおむね順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)トランスジェニックマウスの作成を進めていく。トランスジェニックマウスが確立した後、テトラサイクリン依存的血管内皮細胞特異的転写活性化因子発現マウスと交配することにより、血管内皮細胞特異的sFlt-1ノックダウンマウスを作成する。また、ノックダウンマウスを作成している間に、敗血症モデルマウスの作成法と解析法を確立する。 (2)LPSによる血管内皮障害にsFlt-1が及ぼす影響を解明する。トランスウェルアッセイを用いて血管透過性へのLPSの影響とsFlt-1の作用を明らかにする予定である。 (3)sFlt-1産生制御因子の解析を進める。タンパク質XがFlt-1 pre-mRNAに結合すること、タンパク質XがLPSによってFlt-1 pre-mRNAへの結合が促進されること、タンパク質XがLPSによってどのように活性化されるか、タンパク質Xが他のタンパク質と相互作用するかどうかについて解析し、タンパク質XによるsFlt-1産生制御機構の全体像を明らかにする。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)