Project/Area Number |
21K09883
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57030:Conservative dentistry-related
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
武藤 徳子 神奈川歯科大学, 歯学部, 准教授 (40510433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 信之 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (20163610)
大島 勇人 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70251824)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 歯髄 / 自然免疫 / 象牙質再生 |
Outline of Research at the Start |
神経と自然免疫応答は、共通のリガンドや受容体を通じて相互作用しており、感覚神経の神経伝達物質であるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)は、この受容体を介したシグナル伝達により自然免疫応答を抗炎症的に制御し、さらに神経系のみではなく,免疫担当細胞や脂肪細胞からも産生されることが明らかになっている。CGRPは、炎症を起こした歯髄組織中のC線維より放出されていることから、歯髄組織における神経伝達物質と細胞間との相互作用を解明することを目的とし、マクロファージの極性を局所的に調節し、自然免疫を活性化することにより歯髄炎の回復及び歯髄界面の硬組織形成を効率的に誘導する方法論を確立することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
神経と自然免疫応答は、共通のリガンドや受容体を通じて相互作用していることが多くの研究により明らかとなっている。 感覚神経の神経伝達物質であるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)は、この受容体を介したシグナル伝達により,自然免疫応答を抗炎症的に制御し,さらに神経系のみではなく,免疫担当細胞や脂肪細胞からも産生されることが明らかになっている。CGRPは、炎症を起こした歯髄組織中のC線維より放出されており、健康な歯髄と比較して有意に発現が認められていることから、歯髄組織でもCGRPを介した制御システムの存在が示唆される. 本研究は、神経伝達物質とこれら細胞間との相互作用を解明することを目的とし、マクロファージの極性を局所的に調節し、自然免疫を活性化することにより歯髄炎の回復及び歯髄界面の硬組織形成を効率的に誘導する方法論を確立するために、様々な外的侵襲の中で窩洞形成を選択し、その歯髄修復過程において修復象牙質形成促進に自然免疫制御メカニズムが関わることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、外的侵襲後の神経ペプチドを介した自然免疫制御メカニズムと修復象牙質形成促進との関わりを解明するために、歯髄修復過程における神経ペプチド、マクロファージの活性化、歯髄幹細胞/前駆細胞の増殖・分化、再生神経線維間の相互関係およびM2マクロファージの活性化と歯髄神経再生による新規歯髄再生療法を開発する基盤となる知見を提供することを目的とし、8週齢ラット(Wistar)臼歯近心隣接面にグルーブ状に窩洞を形成し、術後の歯髄治癒過程における歯髄細胞、神経のCGRP活性、神経の再生、M1・M2マクロファージ、樹状細胞の動態を解析した。さらに令和4年度に予定していた、胎生期BrdUラベリング法で歯髄幹細胞/前駆細胞をラベルしたラットを用いて同様に実験を行い、ラット臼歯歯髄治癒過程におけるBrdUラベル細胞と歯髄内細胞増殖活性・アポトーシスおよびM1、M2マクロファージ、樹状細胞の動態、歯髄神経のCGRP活性の発現パターンを解析、神経の再生との関係を検索している。現在は、Ki67免疫染色、TUNEL染色、さらに、BrdU・Ki67二重染色、BrdU・TUNEL二重染色を施し、歯髄幹細胞/前駆細胞の増殖能・アポトーシスを検証している。神経線維、CGRP発現パターン、M1・M2マクロファージ、樹状細胞の動態は、PGP9.5、抗CGRP、ED1、ED2、OX6、OX62抗体を用いて発現パターンを免疫組織化学にて解析している。
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Strategy for Future Research Activity |
歯の損傷後のBrdUラベル細胞と細胞増殖活性・アポトーシス、神経線維の増殖との関連を調べるために、胎生期ラベリング法によりラベルした4週齢ラット第一臼歯を抜去後、歯を再植する。経時的(1日~2週)に動物を固定し、通法通りパラフィン切片を作製し、BrdU・Ki67二重染色、BrdU・TUNEL二重染色、抗CGRP抗体による免疫組織化学にて解析により、歯髄幹細胞/前駆細胞の増殖能・アポトーシス、CGRP発現パターンを検証する。歯の再植後2週で、歯髄幹細胞/前駆細胞が維持されると象牙質形成が、同細胞が枯渇すると骨組織形成が惹起されることが明らかになっていることから、胎生期BrdUラベリング法で歯髄幹細胞/前駆細胞をラベルしたラットを用いて歯の再植を行い、歯の損傷後の歯髄再生過程において歯髄幹細胞/前駆細胞と神経線維、CGRPの発現パターン、M1・M2マクロファージの動態は、PGP9.5、抗CGRP、ED1、ED2、OX6、OX62抗体を用いて免疫組織化学にて解析する。ラット臼歯の再植後の歯髄治癒過程におけるBrdUラベル細胞と歯髄内細胞増殖活性・アポトーシスおよびM1、M2マクロファージ、樹状細胞の動態、神経線維の増殖、CGRP発現パターンを解析することで神経再生と歯髄幹細胞の関係及び修復象牙質形成のメカニズムを解明する予定である。
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