多官能アクリレート結合型長鎖シランカップリング剤の創出と応用
Project/Area Number |
21K10001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57050:Prosthodontics-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
丸尾 幸憲 岡山大学, 大学病院, 講師 (60314697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉原 久美子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (90631581)
長岡 紀幸 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (70304326)
西谷 佳浩 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (60325123)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 接着 / シランカップリング / アクリレート / セラミック / メタクリレート / シランカップリング剤 |
Outline of Research at the Start |
歯科診療における接着は非常に重要である.特に材料自体が金属に比べて脆弱な審美治療に用いられるメタルフリー材料に対する最適かつ強固な結合は,長期に安定した予後を担保する上で極めて重要な要素である.本研究課題では従来のシランカップリング剤よりも高い疎水性を有する長鎖シランカップリング剤を用い,歯科で一般的に使用されているメタクリレートに比べて反応性の高いアクリレートを併用した表面処理剤を新規に作製し,新たな長期耐久性を得ることが可能な処理方法を創出することを目的としている.
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Outline of Annual Research Achievements |
近年,患者の審美性に対する要求の高度化,金属アレルギーの問題に伴いメタルフリーによる治療の機会が増加している.また,保険適用の拡大によって,メタルフリー修復へ新たな材料の導入が続いている.しかし,メタルフリー修復の長期予後についてのエビデンスが少なく,修復後に破損や脱離といったトラブルが生じているのが現状である.本研究課題では,各種メタルフリー材料に対する最適かつ強固な化学的結合による表面処理方法を確立するため,従来のシランカップリング剤よりも高い疎水性を有する長鎖シランカップリング剤と,歯科で一般的に使用されているメタクリレートに比べて反応性の高いアクリレートを併用した新規プライマーを作製し,新たな長期耐久性を得ることが可能な処理方法を創出することを目的としている. アクリレートモノマーとして,トリメチロールプロパントリメタクリラート,トリメチロールプロパントリアクリラート,ジペンタエリトリトールポリアクリラートを用い,メチルメタクリレートモノマーにそれぞれ10wt%刻みで50wt%まで添加した液剤を調整した.この液剤とポリメチルメタクリレートポリマーを用いて曲げ特性の評価を行い,メタクリレートに対するアクリレートモノマーの添加は,重合体の曲げ特性を向上させる可能性を報告した.また,このアクレート添加PMMAレジンとCAD/CAM用メタルフリーブロックとの接着強さについて検討を加え,アクレートモノマーの添加は材料や添加量によって接着力は影響を受けることを報告した.現在は,アクリレートモノマーと従来使用されているγ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランと長鎖8-メタクルロキシオクチルトリメトキシシランの濃度を調整した処理材を調整し,CAD/CAMセラミック材料との接着強さについての計測を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,実験計画に基づき,おおむね順調に遂行できている.また研究分担者との連携も順調である.
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Strategy for Future Research Activity |
アクリレートモノマー添加による重合体の曲げ特性,アクレートモノマー添加材料とCAD/CAM用ブロックとの接着強さの他,それらの界面の解析結果などから,至適添加量を推察する.アクリレートモノマーとしてトリメチロールプロパントリメタクリラート,トリメチロールプロパントリアクリラート,ジペンタエリトリトールポリアクリラートの3種類を,シランカップリングとしてγ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランと8-メタクルロキシオクチルトリメトキシシランの2種類を用い,推察した至適添加量を中心に網羅的にアクレートとシランカップリング剤の濃度を調整した処理材を調整し,CAD/CAM用メタルフリーブロックに対する接着強さについて,陶材,ハイブリッドセラミックとリチウムガラスを対象として検討を加える.これらの結果から長鎖シランカップリング剤とアクレートモノマーの併用によるCAD/CAM用メタルフリー材料に対する処理方法についての新たな知見を得る.
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)