遺伝性口顎部ジストニアの病態解明に向けた神経基盤の解明
Project/Area Number |
21K10169
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57070:Developmental dentistry-related
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
黒瀬 雅之 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (40397162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹林 浩秀 新潟大学, 医歯学系, 教授 (60353439)
吉岡 望 新潟大学, 医歯学系, 助教 (20708375)
山村 健介 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90272822)
佐藤 大祐 新潟大学, 研究推進機構, 助教 (70778703)
森川 和政 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (70514686)
岡本 圭一郎 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50382338)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | ジストニア / 不随意運動 / ニューロパチー / 咀嚼 / 嚥下 |
Outline of Research at the Start |
不随意な筋の協調障害により運動が障害されるジストニアの一症状である口顎部(オーラル)ジストニアは、詳細な病態が明らかになっておらず疾患に対する包括的な理解が進んでいない。本研究では、全身性ジストニア様の運動障害を呈するDst 遺伝子変異マウスを用いて、①病態モデル確立のための表現型解析 ②顎口腔系で発症する不随意運動の原因部位の探索を行う。そのために、原因部位の候補とした脳幹・感覚神経系それぞれに部位選択的にDst発現を抑制したcKOマウス、部位選択的にDst発現を回復したcRescueマウスを作成し、詳細な表現系解析を行い、発症する症状の比較により原因部位を明らかとする。
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Outline of Annual Research Achievements |
全身性ジストニアは、大脳基底核に病変が見られることが多く、基底核を中心とした神経回路異常が発症機構の1つとされる。それに加え、脳幹・脊髄あるいは末梢神経の障害でも発症することが明らかとなっている。これに対し、オーラルジストニアの病態像は明確ではない。全身性ジストニアで障害を受ける歩行運動(半自動運動)と同様の咀嚼運動は、オーラルジストニア患者でQOL低下に繋がる運動障害が生じることが知られている。よって、顎口腔系における運動障害は、全身性ジストニアの病態と同様に、中枢神経系に加え末梢神経の障害で発症していることが示唆される。そこで、顎運動に拘わる脳幹部そして筋紡錘・歯根膜などからの感覚ニューロンを不随意運動発症に関連する主要な原因部位と仮説を立て、全身的にDst遺伝子の発現を抑制したcKOマウスを軸に、脳幹と感覚ニューロンの其々に選択的なCreマウスを用いて、それらの表現型を電気生理学・組織学的に解析した。 本研究計画では、全身的にDst遺伝子の発現を抑制したcKOマウス(Dst-Gtマウス)を導入し、繁殖を繰り返すことで実験系を確立した。電気生理学的実験:Dst-Gtマウスと野生型マウスを比較した結果、Dst-Gtマウスでは、咀嚼運動時に開口筋(舌骨上筋)と閉口筋(咬筋)の同時収縮が頻発したが、咀嚼リズムに差はみられなかった。現在解析中であるが、高速度カメラによる下顎運動軌跡の解析では、左右方向の下顎運動軌跡に有意なばらつきが観察された。免疫組織学的実験:ストレスマーカー(ATF3,SM31)を用いた免疫染色で、三叉神経節における有意な発現が観察された。 これらの結果から、Dst遺伝子の発現の抑制により、感覚神経の発育・維持が困難となり、円滑な運動遂行に影響を及ぶす求心性情報の減少が生じ、運動障害が誘発されていることが示唆される。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)