猫ひっかき病のヒトへの感染予防に向けたネコワクチン・急性期診断・抗原バンクの開発
Project/Area Number |
21K10398
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58020:Hygiene and public health-related: including laboratory approach
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
大津山 賢一郎 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (10432741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常岡 英弘 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授(特命) (40437629)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 猫ひっかき病 / ワクチン / 診断キット / CSD抗原バンク / 急性期診断 / 抗原バンク |
Outline of Research at the Start |
本研究では、CSD対策として、CSD関連検体から新規免疫沈降法を介して同定される抗原蛋白質を活用し、ネコ(B. henselae保菌)に対するワクチンおよびCSD早期診断ELISAの開発を目的とする。本研究の成果はCSD予防および早期診断・治療実現に貢献するほか、抗原抽出法も汎用性が高く、新興感染症の予防や鑑別診断に応用可能である。獲得抗原とそのデータを貴重な資源として『抗原バンク』化し、公衆衛生学をはじめ関連分野の研究開発に貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、猫ひっかき病(CSD)の病原菌であるBartonella henselaeからCSD患者血清を用いて1)抗原同定を探索し、2)同定された抗原で診断キットおよびワクチン開発を行い、3)それらの抗原をCSD抗原バンクとして公開することである。 まず、これまでの報告でCSD患者血清を用いたIgMウエスタンブロット解析において4群の抗原を確認している。これらはCSDの診断の標準法の間接蛍光抗体法(IFA)のうちIgMについて陽性であった患者血清では全てIgMウエスタンブロットで検出される。これらの4群の検出とIgM-IFAを比較検討するといずれのCSD患者血清も1群以上の検出が見られる。つまり4群の抗原のいずれかが検出されればCSDであると言える。 2022年度は1)考えられる4群の抗原のうち半数以上の患者血清と反応している10kDa付近の抗原同定を試みた。10kDa付近の抗原は127遺伝子が考えられたが、質量分析によりアサインが多く出ている2遺伝子について検討した。最もアサインが多く検出される遺伝子は予想された10kDaをはるかに超える分子量であったが、この遺伝子はプロモーター領域がいくつかあり、それらはおよそ10kDaをコードすることがわかった。現在それぞれの遺伝子について解析中である。また、もう一つの遺伝子は抗原ではなかったことを確認した。 また、10kDaの分子量は蛋白質の中でも小さいのでそれ以外の検討も行った。論文投稿を考えているので詳細は述べないものの蛋白質以外の可能性は低いことを確認した。 したがって、2)、3)は2022年度は達成できていないが、着実に全抗原同定に近づきつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
目的とする抗原が蛋白質以外の可能性も考えられた。B.henselaeはグラム陰性桿菌であるため外膜としてLPSが存在する。その一つとして病原性を示すLPSに着目した。LPSは銀染色により低分子量から高分子量まで存在し、最近のLPS抽出キットを用いて銀染色によりその抽出を確認した。そのLPSを使って全ての抗原として考えられる4群にそれぞれ反応する患者血清を用いてウエスタンブロットにより確認した。その結果LPSはどの患者血清とも反応がなく、LPSの可能性は除外された。 現在、4群のうちの1つであり約60%のCSD患者血清で反応する10kDa付近の解析を進めている。タンパク質としても非常に小さなものであるが、高率で検出されるためこの解析は必要不可欠である。 質量分析にかけ2遺伝子に候補が上がっていたが、1つはCSD患者血清を用いたウエスタンブロット解析の結果抗原ではないことを確認した。一方最も有力な蛋白質は我々が認識していた10kDaよりはるかに大きかった。アミノ酸配列を確認したところ複数のリピート配列がありこの分子量はおよそ10kDaであることがわかった。現在この解析を進めている。 したがって、その蛋白質以外の抗原を鑑みた実験や抗原候補となる蛋白質の特殊性の解析のためにやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在10kDa付近の解析を進めており、この解析を最優先に行う。また、その他3群についても随時行うこととしている。現在30kDa付近については抗原を1つ同定しているがさらに複数の存在が考えられるため解析を行う。 これら4群全て同定した段階でこれら抗原を用いたELISAを作成し、IFAとの結果を踏まえてその臨床的有用性について検討する。 一方、これらの抗原をまずはマウスを使ってワクチン効果が見られるかどうか確認する。その結果を踏まえて、ネコへの接種を行いその効果を検証する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)