下部泌尿器平滑筋の収縮機能異常に対するγ-リノレン酸の抑制効果の分子基盤
Project/Area Number |
21K11686
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
小原 圭将 東邦大学, 薬学部, 講師 (90637422)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 芳夫 東邦大学, 薬学部, 教授 (60188349)
吉岡 健人 東邦大学, 薬学部, 講師 (50758232)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | γ-リノレン酸(GLA) / 脱分極性収縮反応 / 精管平滑筋 / 冠動脈平滑筋 / プロスタノイドTP受容体 / α-リノレン酸(ALA) / 下部泌尿器 / 膀胱平滑筋 |
Outline of Research at the Start |
γ-リノレン酸(GLA)は月見草油に豊富に含有されるn-6系多価不飽和脂肪酸です。本研究では、下部泌尿器平滑筋の収縮機能異常に対するGLAの抑制効果の背景にある分子基盤の解明を解明することを目的とし、膀胱、精管、前立腺、尿道平滑筋などの下部泌尿器平滑筋の収縮反応に対するGLAの抑制効果を検討するとともに、GLAの抑制効果の作用機序をカルシウムチャネルの関与を中心に検討します。また、生体位の膀胱運動に対するGLAの治療効果を検討し、GLAの下部泌尿器疾患に対する有用性を明らかにします。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、下部泌尿器平滑筋の収縮機能異常に対する植物油に含有される成分であるγ-リノレン酸(GLA)の抑制効果の背景にある分子基盤の解明することを目的として、下部尿路組織に対するGLAの影響を検討するとともに、その他の平滑筋に対するGLAの効果を検討することとした。ラット精管標本におけるGLAの影響を再評価したところ、脱分極性収縮反応を強力ではないものの、ドコサヘキサエン酸(DHA)よりも強力に抑制することが明らかとなった。モルモット腸管平滑筋においても、再度、GLAの影響を再評価したところ、脱分極性収縮反応を抑制することが明らかとなった。なお、腸管平滑筋においては、GLAはアセチルコリンやヒスタミンによる収縮反応に対しても抑制効果を示した。また、この抑制は特定のカチオンチャネルを抑制する薬物を存在させた状態でも観察できたため、少なくとも電位依存性Ca2+チャネルやその下流に存在する情報伝達系がGLAのターゲットであるのではないかと考えている。さらに、ブタ冠動脈平滑筋において、各種収縮反応に対するGLAの影響とGLAの構造異性体であるα-リノレン酸(ALA)の影響を評価しており、様々な収縮反応に対するこれらの脂肪酸の効果を検討しているところである。これらの脂肪酸いずれもプロスタノイドTP受容体に対する拮抗効果を示す可能性が示されており、この点について、詳細な吟味を行っている最中である。また、ブタ脳底動脈平滑筋・モルモット胸部大動脈平滑筋の収縮反応に対するALAの効果も検討しており、ブタ冠動脈平滑筋で得られた性質が、血管平滑筋に普遍的なものであるかについても検証を行っているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は、下部尿路平滑筋を中心に検討を行う予定であったが、1)血管平滑筋においてγ-リノレン酸(GLA)やその構造異性体であるα-リノレン酸(ALA)にプロスタノイドTP受容体に対する拮抗作用を有する可能性が見出されたこと、2)腸管平滑筋でも興味深い結果が得られたことから、研究を内容を一部修正することとしたが、興味深い知見が得らえれているため、おおむね順調に進展していると評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
下部尿路平滑筋に対するGLAの効果を検討するとともに、ブタ冠動脈及び脳底動脈などの血管平滑筋に対するGLA・ALAの抑制効果についてより詳細に検討することを予定としている。また、腸管平滑筋に対するGLAの効果についても引き続き検討を行っていく予定である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(19 results)
-
-
[Journal Article] Docosahexaenoic acid and eicosapentaenoic acid strongly inhibit prostanoid TP receptor‐dependent contractions of guinea pig gastric fundus smooth muscle2022
Author(s)
Xu K, Shimizu M, Murai C, Fujisawa M, Ito D, Saitoh N, Nakagome Y, Yamashita M, Murata A, Oikawa S, Ou G, Yoshioka K, Obara K, Tanaka Y
-
Journal Title
Pharmacology Research & Perspectives
Volume: 10
Issue: 3
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
-
[Journal Article] Eicosapentaenoic acid (EPA)-induced inhibitory effects on porcine coronary and cerebral arteries involve inhibition of prostanoid TP receptors2022
Author(s)
Yoshioka K, Obara K, Oikawa S, Uemura K, Yamaguchi A, Fujisawa K, Hanazawa H, Fujiwara M, Endoh T, Suzuki T, De Dios Regadera M, Ito D, Ou G, Xu K, Tanaka Y
-
Journal Title
Scientific Reports
Volume: 12
Issue: 1
Pages: 12829-12829
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-
[Presentation] ドコサヘキサエン酸(DHA)はプロスタノイドTP受容体を介したモルモット気管平滑筋の収縮反応を選択的に抑制する2022
Author(s)
小原圭将, 稲葉理花子, 川北美礼, De Dios Regadera Montserrat, 植竹智美, 村田梓, 西岡菜々子, 黒木孝太, 追川俊哉, 吉岡健人, 田中芳夫
Organizer
第96回日本薬理学会年会
Related Report
-
[Presentation] ブタ脳底動脈および冠動脈の収縮反応に対するエイコサペンタエン酸 (EPA) による抑制効果2022
Author(s)
吉岡健人, 小原圭将, 追川俊也, 上村洸平, 山口明奈, 藤澤和輝, 花澤瞳, 藤原実貴, 遠藤太尊, 鈴木太智, De Dios Regadera Montserrat, 伊藤大地, 斎藤昂, 中込佑尚, 山下冬馬, 木口真由, 齊藤祐花, 仲尾友里, 宮路陽南子, 欧光瀚, 徐可悦, 田中芳夫
Organizer
第96回日本薬理学会年会
Related Report
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-