統計モデルに基づく超大規模問題に対する組合せ最適化手法の開発
Project/Area Number |
21K11775
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 60020:Mathematical informatics-related
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
重弘 裕二 大阪工業大学, 工学部, 教授 (40243175)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 組合せ最適化問題 / 統計モデル / 集中化 / 多様化 / 近傍探索 / 組合せ最適化 |
Outline of Research at the Start |
組合せ最適化問題は設計、割り当て、スケジューリング等に現れる重要な問題であるが、最適解を求めることが不可能である場合も多い。本研究では超大規模な組合せ最適化問題に対し、効率的に良い解を探索することができる手法について考察する。具体的には、解を探索するための操作(近傍操作)を複数用意し、統計論的な観点から最善と考えられる操作を選択しながら解の探索を進める手法を構築し、計算機実験によりその手法の評価を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度には、前年度に新たに考案した統計モデルを組合せ最適化手法に組み込む方法について、検討および評価を行った。その統計モデルは、確率分布を「解改善確率」と「改善時の改善量」と名付けた2つの量により表すモデルであるが、その2つの量を推定する方法を検討し、その結果に基づいた組合せ最適化手法を実装し、大規模問題に適用して評価を行った。 まず、解改善確率をベイズ推定により、改善時の改善量を忘却係数付き逐次最小二乗法により推定する方法について検討し、計算機実験により評価を行った。実験の結果、複数の問題に対して良好な結果を得ることができ、統計モデルの推定法が正しく機能することを確認することができた。これについては電気学会電子・情報・システム部門大会で学会発表を行った。 前述の手法に対して、さらに評価実験を行ったところ、一部の問題において、統計量の推定がうまくいっていないかのような挙動を示すことがわかった。そこで、より安定して推定を行うことができるように、改善時の改善量を指数移動平均により推定する方法について検討し、計算機実験により評価を行った。これについては電気学会システム研究会で学会発表を行ったところ、発表の学生が技術委員会奨励賞を受賞した。 並行して、以前から検討を行っていた逆自己畳み込みアルゴリズムに基づき統計量を推定する手法について、評価実験を繰り返すことにより有効性を確認した。これについては既に学会発表を行っているため、論文を作成して学会に投稿したところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書(様式D-2-1)の「補助事業期間中の研究実施計画」に記述した内容のうち、令和3年度に行う予定であった部分、具体的には、これまで行ってきた手法に対する検討、有効性の確認、結果の取りまとめ等については、遅れて令和4年度に実施することにはなったが、令和4年度内に、内容を取り纏めて論文を学会に投稿することができた。 令和3年度から令和4年度にかけて新たな統計モデルについて検討するという部分についても、おおむね順調に進展していると考えている。最初は、1) 分布が度数分布表により表されるようなモデルを考え、度数分布表を多項分布と捉えて、ベイズ推定により統計量を推定しようとしたが、実際に計算機実験を行うと、安定して良い結果が得られないことがわかった。そこで、うまくいかない原因を調べ、改善案として、2) 階級を1つにまとめた度数分布表に相当するモデルを考え、2つの量(解改善確率と改善時の改善量)を個々に推定するための方法を検討した。これについても、最初に検討した 2-a) ベイズ推定と忘却係数付き逐次最小二乗法に基づく方法では不十分な結果しか得ることができなかったが、原因を調べて改善した 2-b) ベイズ推定と指数移動平均に基づく方法では、これまでのところ、比較的良好な結果を得ることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今のところ、交付申請書(様式D-2-1)の「補助事業期間中の研究実施計画」に記述した内容から、特に大きな研究計画の変更等は考えていない。 これまでに研究を行ってきた手法については、論文投稿を行ったところである。今後は査読プロセスに従い、採録を目指したい。 新たな統計モデルについては、これまでの研究で、比較的良好な結果を得ることができる方法がわかっている。それは、確率分布を「解改善確率」と「改善時の改善量」という2つの量により表すモデルを考え、ベイズ推定と指数移動平均に基づくそれらを推定するというものである。今後は、これについてさらに検討を行った上で、十分な計算機実験により有効性を確認し、学会発表を行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)