生物保全を目指した御蔵島ミナミハンドウイルカの生態学的研究
Project/Area Number |
21K12331
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64040:Social-ecological systems-related
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
北 夕紀 東海大学, 生物学部, 准教授 (30710917)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | ミナミハンドウイルカ / 摂餌生態 / 繁殖生態 / 保全 |
Outline of Research at the Start |
御蔵島に生息するミナミハンドウイルカの繁殖生態ならびに摂餌生態を明らかにし、本種の適切な保全管理方法の提言を目的とする。申請者の研究により蓄積された長年のデータと、糞を用いる非侵襲的な分析方法を進めることによって、本研究計画最終年度には、学術的「問い」として示した、①繁殖成功率の高い個体の有無、②繁殖成功率と性成熟年齢との差異、③個体や季節による食性の違い、④2012年からの食物網構造の変化のみならず、御蔵島周辺海域における環境変化をも捉えることが可能となる。本研究成果は御蔵島地域個体群保全のみならず、小型鯨類全般の保全に向けた基礎生態解明のモデルケースになると期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
伊豆諸島御蔵島に生息するミナミハンドウイルカの繁殖生態ならびに摂餌生態を明らかとするため,2022年度は,2021年度に採取した183個体の糞よりDNA抽出を実施するとともに,糞採取時に撮影された動画より得られた糞由来DNAの個体IDを取得した.得られたゲノムDNAから,餌生物由来遺伝子(COI領域)におけるPCRおよび次世代シークエンシングによって食性データを得た.また,個体IDが獲得できたゲノムDNAを鋳型としてmtDNAおよび20種類の多型マイクロサテライトにてPCRを実施し,電気泳動によりバンドを確認したものにおいてサンガーシークエンシングによって遺伝子タイピングを実施した.その後,個体の性別,年齢などの生物学的情報を基に,Cervusソフトウェアを用いて親子鑑定を実施し,繁殖生態解明のための家系データを構築した. 食性解析においては,糞採取時の動画解析より個体IDの明確な2015年~2016年の個体ごとの食性データより,個体に焦点をあてたクラスター分析の他,年度別,季節別,性別,成長段階別などの複数のFactorで正準相関分析を実施し,個体ごとの嗜好性の有無や餌生物の幅と構成を考察した.その結果について,日本水産学会にて発表したのと併せ,現在論文執筆中である.さらに,2017~2021年度に得られた食性データの分析を進め,2015年からの食性の変化や成長に伴う食性の変化について考察した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は2021年に得られた糞からのDNA抽出,糞由来DNAを鋳型とした餌生物由来遺伝子(COI領域)における次世代シークエンシングの実施,個体IDの明確な糞由来DNAを用いたmtDNAおよび20種類の多型マイクロサテライトにおける遺伝子タイピングを当初の研究計画同様に実施できたたが,2017年以降に個体IDの明確な糞の獲得が遅れており,食性解析および家系解析がやや遅れている. 2015年~2016年のデータは比較的個体IDが整備されているが,成熟メスが大半を占めることから,摂餌生態の正確な把握には至っていない. 2022年度中に学会発表は行ったものの,論文投稿に至っていないことから,早急に執筆し,投稿を目指す予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
2015年~2016年に入手した食性データを用いた個体差,雌雄差,成熟度別の食性解析結果について,学会発表したデータに基づき,早急に論文としてまとめ,投稿する. 2021年までに得られた糞由来DNAの個体ID取得に努める. 2022年および2023年に得られた糞よりDNAを抽出する. 個体IDの明確な個体におけるmtDNAおよび20種類の多型マイクロサテライトにおける遺伝子タイピングを実施し,基礎調査によって得られている個体の性別,年齢などの生物学的情報を基に,親子鑑定並びに血縁解析を実施する.2023年度は最終年度であることから,これまで構築した遺伝子情報を基に26年間分のイルカ家系図を作成する.さらに,作成したイルカ家系図を基に繁殖成功した雌雄の繁殖開始年齢,雌雄の繁殖成功率,メスの妊娠間隔を算出し、繁殖成功率の高い雌雄個体の有無や社会的成熟の有無を考察する. 食性解析においては,2022年度ならびに2023年度に獲得した糞由来DNAを鋳型として,餌生物由来遺伝子(COI領域)における次世代シークエンシングを実施し,食性データの構築を図る.得られた餌生物由来データを年度別,季節別,性別別,成長段階別など複数の項目で比較し,餌生物の幅と構成を明らかにする.2023年度は最終年度であることから,12年間分の食性データを基に,成長に伴う食性の変化のみならず,御蔵島海域における環境変化がもたらす食物網構造の変化の有無を考察する.
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)