Do mass flowering crops and eusocial bees contribute to the spread of pathogens among bees?
Project/Area Number |
21K14868
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 39060:Conservation of biological resources-related
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
中村 祥子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (60896546)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | ハナバチ / 感染症 / ミツバチ / 微胞子虫 / 花上微生物 / 花の微生物 / 訪花昆虫 / 真菌群集 / アンプリコンシーケンス / 大量開花作物 / 送粉サービス |
Outline of Research at the Start |
野生ハナバチ類は、食糧生産等に不可欠な送粉サービスを提供するが、野生ハナバチ群集内で種を超えた感染症蔓延が懸念されている。一部病原体は、ハナバチが採餌する花上で間接伝播する。多くのハナバチ類が集中する大量開花植物や、個体間コミュニケーションが密で個体群内の感染拡大が起こりやすいミツバチ等社会性ハナバチは、野生ハナバチ類への感染拡大を招く可能性がある。本研究は、感染症蔓延機序を解明し野生ハナバチ類保全に資するため、人工花と感染個体を用いた感染実験と、野外における感染率調査から、感染リスクを高める花特性を解明するとともに、大量開花植物と社会性ハナバチが感染症拡大に与える影響を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
①ハナバチ感染症感染ミツバチの排泄パターン解明 ミツバチにノゼマ症を引き起こす微胞子虫Vairimorpha (Nosema) ceranaeは、飼養ミツバチから野生ハナバチへの感染拡大が懸念される。本微胞子虫は感染個体の中腸上皮細胞で増殖し、糞と共に排泄された胞子に汚染された花粉等の摂食で感染する。同じくノゼマ症の原因となるV. apisでは、感染個体に顕著な下痢症状が発生するが、V. ceranaeでは排泄パターンの変化が明らかではなく、個体の寿命への影響にもこれまで一貫した結果が出ていない。ノゼマ症に感染した飼養ミツバチ個体の寿命や行動の変化解明は、野外のハナバチ群集へのV. ceranae感染拡大を予測するために必須である。そこでV. ceranae感染が、セイヨウミツバチの羽化成虫の排泄パターンと生存に与える影響を検証した。羽化1日未満のセイヨウミツバチ成虫にV. ceranae胞子を含むショ糖液、またはただのショ糖液(コントロール)を接種し、3週間生死と排泄有無を記録した。その結果、接種群では、排泄回数の増加と、接種後早期の死亡率の微増傾向があった。V. ceranae感染による排泄回数増加は、巣内・巣外における感染拡大に貢献すると示唆された。 ②社会性ミツバチが野外の花上微生物群集に与える影響の解明 社会性ミツバチは、その大量訪花により病原微生物を含む花上の微生物群集の組成を変化させる可能性がある。そこで、セイタカアワダチソウ群落にて、ミツバチを含む大型の訪花昆虫が訪花できないメッシュ区と訪花できるオープン区を設置し、セイヨウミツバチの巣箱を導入して訪花させた。花上の微生物群集組成をアンプリコンシーケンス解析により比較した結果、ミツバチを含む大型の訪花昆虫の訪花は、花上の微生物群集に明確な組成変化をもたらしていた。ハナバチ類の病原微生物は、花上から検出されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東京農工大との協力関係のもと、社会性ハナバチであるセイヨウミツバチの感染症であり、野生ハナバチへの感染拡大が懸念されるノゼマ症の原因となる微胞子虫Vairimorpha (Nosema) ceranaeの感染拡大経路として、感染虫の排泄パターンを解明することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
①微胞子虫V. ceranaeによるミツバチ個体への影響の解明 微胞子虫感染による羽化直後のミツバチへの影響を令和4年度に解明できた。そこで令和5年度は、羽化後日数が経過した成虫に対する感染性と、排泄・死亡パターンへの影響の解明を行う。 ②微胞子虫V. ceranaeの胞子の感染力維持期間の解明 微胞子虫の胞子は、ハナバチ体内からの抽出後の時間経過や保存条件に依存し、感染力が低下することが知られている。感染力を持つ胞子の保存は、微胞子虫の影響解明の研究において必須である。さらに、野外条件下における胞子の感染力維持期間の解明は、野外における感染拡大の予測や防止のために必要である。そこで、野外のミツバチ巣内条件を模したハチミツ浸潤等を含む異なる条件下で胞子を保存し、保存条件、経過保存期間と感染力の関係を解明する。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)