予測モデルを活用した木質構造材料の長期強度性能評価法の開発
Project/Area Number |
21K14893
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 40020:Wood science-related
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Research Institution | Hokkaido Research Organization |
Principal Investigator |
高梨 隆也 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 森林研究本部 林産試験場, 研究主任 (80733112)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 荷重継続時間 / Duration of load / CLT / 集成材 / 生存時間分析 / 直交集成板 / 荷重継続期間 |
Outline of Research at the Start |
木質構造材料では製材小試験体での実験から得られたデータから長期強度が定められている。集成材やCLTは、積層接着材料であることや直交層など、長期強度性能では考慮されてこなかった新たな特性を持つ。本研究ではこれらの条件を考慮した試験体で長期荷重試験を行い、木質構造材料が持つ多彩な要素が長期強度へ与える影響を調べる。また、載荷荷重レベルのシミュレーションや統計的検討を行い、50年相当の長期強度を予測する際の適切な長期強度予測モデルの構築を試みる。これらの試みにより、木質材料の長期強度の推定技術の開発、長期強度予測精度の向上を目指し、新規材料開発の促進、木質構造の安全性向上・設計効率化につなげる。
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Outline of Annual Research Achievements |
前年度に製作した、カラマツラミナを用いた無垢材、水性高分子‐イソシアネート系接着剤 (API)を用いたフィンガージョイント材、レゾルシノール樹脂接着剤 (PRF)を用いたフィンガージョイント材、APIを用いて積層接着した3プライ集成材、APIを用いて積層接着した3層3プライCLTを用いて長期曲げ荷重試験を行った。荷重レベルは90%、80%、70%の3レベルとし、荷重継続時間の測定を行った。おおむね試験が終了した荷重レベル90%および80%の結果をもとに検討を行い、集成材試験体の荷重継続時間が長くなる傾向および、80%載荷においてAPI接着フィンガージョイント材よりPRF接着フィンガージョイント材の方が荷重継続時間が長くなる傾向が得られた。また、API接着フィンガージョイント材では荷重継続時間が長くなるにつれて破壊頻度が高くなる傾向がみられた。これらの結果をまとめ学会発表を行った。また、カラマツLVLおよびそれをフランジとした木質Iビームでの長期曲げ荷重試験の既存データを解析した。これは荷重レベルを90%、80%、75%として実施した試験であり、荷重レベルと荷重継続時間の関係から回帰した長期強度の予測値はLVLおよびIビームでほぼ同等の値となったほか、生存曲線での評価でも両仕様の生存確率の差は有意ではなかったことが分かった。これにより、木質接着材料においてはその破壊を規定する構成要素 (エレメント)の長期荷重特性が材料全体の長期荷重特性となり、エレメントでの長期荷重試験から材料の長期荷重特性を評価できる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
製作した試験体で順次長期荷重試験を実施し、予定していた3つの荷重レベルのうち2つでほぼ試験が終了し、残り1レベルでもほぼすてべての試験体で載荷を開始している。これについては途中経過時点で研究発表を行った。また、荷重継続時間に関する既存データで分析を行い、長期強度の評価手法について検討を進めた。以上のことから、研究全体としておおむね順調に進捗していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
長期荷重試験の残りの試験体について順次試験を行う。3つの荷重レベルでの荷重継続時間が得られた段階で、試験体仕様と荷重継続時間の関係について定量的な評価を行い、木質構造部材の構成要素に応じた体系的な長期材料強度特性を整理し、学会発表を行う。また、評価を実施したLVLとIビームの長期荷重特性について結果をまとめ国際学会にて発表を行う。以上により得られた結果を整理し、木質構造部材の長期強度の予測手法を開発する。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)