Elucidation of the mechanism of pathogenicity of Rhodococcus equi in ruminants and establishment of a diagnostic method
Project/Area Number |
21K14975
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
鈴木 康規 北里大学, 獣医学部, 講師 (60848026)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | ロドコッカス・エクイ / 病原性プラスミド / ゲノム解析 / RNA-Seq / アンチセンスRNA / プロモーター活性 / モノクローナル抗体 / 自家生物発光 / RP R. equi / VapN / Whole genome sequencing / RNA Seq / Monoclonal antibody |
Outline of Research at the Start |
Rhodococcus equiは、近年宿主域の広い病原細菌であることが判明した。ウシでは肺膿瘍から新規毒力関連抗原VapNを保有するR. equi(Ruminant-pathogenic R. equi)が分離されている。RP R. equi感染症は、肺や全身のリンパ節に肉芽腫を形成し結核様の病相を示し、牛結核病との鑑別・精査が必要な新たな病原体と考えられ、衛生学上重要視すべきであるがその報告は限られている。本研究では、RP R. equiの遺伝学的差異を明らかにすることを端緒とした病原性発現機序の解明とRP R. equi感染症を診断する免疫学的診断法を開発することを目的とする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の研究より、VapN発現にはvapNアンチセンス鎖(AS鎖)RNAによる発現制御が関与することを見出した。そこでAS鎖プロモーター配列を用いたDNAプルダウンを行い、本領域に特異的に結合する転写制御因子の特定を試みた結果、転写制御因子してGntRが同定された。続いて、非産生株のgntR欠損株及び補完株を作出した。gntR欠損株においてVapN発現が増加し、補完株でその発現が減少した。さらに、AS鎖プロモーター活性は、gntR欠損株において野生株と比較して有意に減少し、補完株で野生株と同程度まで活性が戻った。すなわち、VapN発現において、GntRによるAS鎖RNA発現を介した抑制機構が存在することが示唆された。 前年度作出した抗VapNモノクローナル抗体を用いて、VapN産生株を感染させたマウスの免疫染色を行った結果、肝臓、脾臓の壊死性病変に陽性反応が認められた。また、VapN陽性R. equiに感染したと推定されるヤギおよびウシの免疫染色では、肺、リンパ節、肋骨などの壊死病変を有する臓器で陽性反応が認められた。本抗体を用いた免疫学的診断法は、類症鑑別やこれまで見逃されていた症例の特定に利用できる。 また、本年度は自家生物発光を利用した病原性評価法の改良を行った。恒常発現プロモーターにluxABCDEをつなぎ、各種R. equi株に導入したところ、化学発光を検出し、菌数と発光強度に相関が認められた。また、それらの形質転換体を培養マクロファージに感染させた場合、細胞内で増殖可能な強毒株由来の形質転換体で発光を検出した。続いて、IVISを用いてマウス生体内における増殖性を検討した結果、強毒株由来の形質転換体では、投与3日後に肝臓と脾臓に発光を検出した。以上より、本自家発光株は、R. equiの病原性解析を強化するものと考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度計画した4項目に関して以下の結果が得られており、概ね順調に進展していると考えている。 (1)全ゲノムライブラリーの構築:本年度、新たにVapA保有R. equi株の全ゲノム配列を決定した。現在、NCBIのデータベースに登録準備中である。 (2)VapN発現機構の解明:概要に記載の通り、アンチセンスプロモーター配列に結合する転写制御因子GntRを新たに同定し、その関与について検討を進めている。 (3)In vitro、In vivoにおける病原性評価法の改良:概要に記載の通り、Lux遺伝子を利用した自家生物発光株の作出に成功し、本菌のIn vitro及びIn vivoにおける増殖性評価を定量的に行うことができるようになった。本研究内容に関する論文を投稿し、受理された。 (4)抗VapNモノクローナル抗体を用いた診断法の開発:概要に記載の通り、マウス感染モデル及び実際の反芻動物の症例への免疫染色に応用し、特異的に検出できることを確認した。本抗体の作出並びに病理診断への応用に関して論文を作成し、現在審査中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
(1)全ゲノムライブラリーの構築:引き続きハイブリッドアセンブルによる精度の高い全ゲノム配列データを蓄積し、データベースに登録して比較ゲノム解析のツールとする。またある程度解析の株数が増えたら、論文として報告する。 (2)VapN発現機構の解明:新たに同定したアンチセンス鎖RNA発現の転写制御因子GntRのプロモーター内の結合配列をゲルシフトアッセイ、フットプリントを用いて特定する。また、GntR欠損株、補完株のIn vitro、In vivoにおける増殖性評価を実施する。 (3)抗VapNモノクローナル抗体を用いた診断法の応用:新たに作出した本抗体を実際の症例や類似疾患(壊死性肉芽腫性病変を伴う疾患)の免疫染色へと応用し、さらなる本抗体の有用性を検証する。
|
Report
(2 results)
Research Products
(11 results)