幹細胞由来肝類洞内皮細胞の作製と肝線維化治療への応用
Project/Area Number |
21K16008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
三谷 成二 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70850212)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 肝臓 / 幹細胞 / 肝類洞内皮細胞 / 線維化 / iPS細胞 |
Outline of Research at the Start |
肝線維症は現在有効な治療法がない。肝臓の構成細胞のひとつである肝類洞内皮細胞は、肝保護・再生作用を有することが報告されており、肝臓の恒常性維持において重要な役割を担っていると考えられる。そこで、本研究課題では、幹細胞からの肝類洞内皮細胞の分化誘導技術の確立と幹細胞由来肝類洞内皮細胞の細胞移植による肝線維症治療有効性の評価を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、幹細胞から肝類洞内皮細胞(liver sinusoidal endothelial cell; LSEC)を作製する技術の開発と肝線維化治療法の開発を目的としている。本年度は、(1)ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)からLSECへの分化誘導法の改良と(2)LSECが障害を受けることによる肝線維化進展のメカニズムの解明を目的とした検討を実施した。 (1)既存の分化誘導法の分化誘導効率の低さを解決する目的でヒトiPS細胞からLSEC前駆細胞への分化誘導法の改良を実施した。分化誘導に用いるサイトカイン・化合物の濃度や組み合わせ、作用期間などの条件を検討した結果、CD31/CD34共陽性細胞への分化誘導効率が向上した。さらに、これらの細胞をLSECへと分化誘導した結果、LSECマーカーであるCD32b陽性細胞が認められた。また、LSECの機能である血液凝固第VIII因子の分泌能もin vitroで確認された。以上から、より効率的なヒトiPS細胞からLSEC前駆細胞への分化誘導と機能的なLSECの作製が可能となった。 (2)LSECが障害を受けることによる肝線維化進展のメカニズムの解明を目的として、LSECが障害を受けた際に発現が上昇する因子の中に、肝線維化病態に重要な肝星細胞の活性化に関与する因子があると仮説を立て、検証を実施した。肝星細胞を活性化する因子として既知のTGF-b1をポジティブコントロールとし、ヒト肝星細胞株であるLX2細胞を用いて評価を実施した。その結果、TGF-b1と同様に肝星細胞活性化マーカーであるACTA2(actin alpha 2, smooth muscle)の遺伝子発現を増加させる因子を同定した。この結果から、LSECの障害が肝線維化を促進するメカニズムの一つに肝星細胞を活性化させる作用を持つ因子の発現上昇が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒトiPS細胞から、より効率的に肝類洞内皮前駆細胞および肝類洞内皮細胞を分化誘導する技術開発に成功した。さらに、肝線維化病態に重要な肝星細胞活性化に寄与する可能性のある因子の同定に成功した。以上のことから、研究はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
肝星細胞活性化因子の同定に成功したため、当初の予定にはなかったが、本因子について、詳細な解析を実施する。特に肝星細胞活性化をするメカニズムの解明から、肝線維化治療法への応用を試みる検討を実施する。また、確立した分化誘導法で得られる幹細胞由来肝類洞内皮様細胞を用いた細胞移植実験も検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)