心臓エネルギー代謝におけるケトン体とナトリウム利尿ペプチドの関与
Project/Area Number |
21K16038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
柏木 雄介 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70814101)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ケトン体 / ナトリウム利尿ペプチド / 心不全 / インスリン抵抗性 / 心臓エネルギー代謝 / 重症心不全 / アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、重症心不全症例においてその不全心から産生されるナトリウム利尿ペプチドは、心臓のエネルギー基質としてケトン体利用を亢進させる因子となりうるのか、検討を行う。まずは臨床研究として、不全心においてナトリウム利尿ペプチドがエネルギー基質としてケトン体利用を亢進させる因子となりうるか、共分散構造解析を用いた解析を行う。また基礎研究として、圧負荷誘発心不全モデルマウスを用いることにより、ナトリウム利尿ペプチド補充療法による心組織におけるケトン体取り込み亢進の確認を行う。本研究の成果は、ナトリウム利尿ペプチド のケトン体利用亢進による心臓エネルギー代謝活性作用を介した新たな治療戦略となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
心不全の病態の根幹には、エネルギー基質である脂肪酸や糖の利用障害をはじめとした心臓エネルギー代謝異常が存在する。心不全では体内でケトン体の産生亢進が生じるが、このケトン体による心保護効果に近年注目が集まっている。これまでに申請者らは、ナトリウム利尿ペプチド(NP)が血行動態制御作用に加え、生体温度調節や糖代謝制御などを介して心保護的に作用することを見出した。今回、まず臨床研究において、心不全患者の血中NP濃度がケトン体濃度と強く相関することを示した。これにより、重症心不全時にNP が心臓エネルギー基質としてケトン体利用を亢進させる因子となりうることを示した。 次に、このNP補充療法が心不全患者の糖代謝に及ぼす影響について検討を行った。 アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)は、アンギオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)とネプリライシン阻害薬の2つの成分からなっており、内因性のNPを増強することでNP補充療法としての効果が期待される心不全治療薬である。慢性心不全において、通常の治療薬であるACE阻害薬またはARBをARNIに切り替えることにより、インスリン抵抗性に関する各パラメータ(血糖値、インスリン値、など)が有意に改善した。これによってARNIは慢性心不全患者においてNP補充療法としてインスリン抵抗性を改善させる役割を果たすことが示された。 さらに高脂肪食負荷(HFD)肥満モデルマウスにNPを持続投与することで、脂肪肝を改善させ、白色化したBATのre-browningを介し、全身のインスリン抵抗性を改善させることを示した。心臓局所においても、NPがミトコンドリアへの脂肪酸過負荷を軽減し、インスリン抵抗性を改善させることを示した。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)