核酸受容体が血管の炎症と動脈硬化に与える影響の検討
Project/Area Number |
21K16059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
数藤 久美子 徳島大学, 病院, 特任助教 (10843807)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 動脈硬化 / 核酸受容体 |
Outline of Research at the Start |
感染初期において病原体の侵入をいち早く察知するシステムであるパターン認識受容体の1つである核酸受容体は、外来性の病原体核酸だけでなく、様々な危険因子の存在下で生じた内皮細胞などの血管構成細胞の細胞死に由来する自己由来遊離核酸断片をも認識し、炎症応答を活性化することが知られ、動脈硬化などの様々な疾患病態にも関与している。マクロファージに発現するDNase IIは、細胞内に取り込まれた遊離核酸断片を分解することで、核酸受容体によるマクロファージの活性化を制御している。そこで、DNase IIが核酸断片によって誘導される血管壁の慢性炎症と動脈硬化病変の形成を抑制すると仮説を立てた。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、「マクロファージに存在するDNase IIが、障害を受けた血管構成細胞から放出される遊離核酸断片を分解し、核酸受容体を介した炎症応答を減弱することで、血管の炎症や動脈硬化病変の形成を抑制する」という新しい仮説に基づく研究である。動脈硬化は血管壁の炎症で生じるが、その機序については十分明らかになっておらず、炎症を分子標的とした治療方法の開発も不十分である。今回の研究課題では、核酸断片やDNase IIに注目し、マクロファージ活性化や血管の炎症機序を明らかにすることを目的としている。DNase IIの動脈硬化病変形成における役割の検討 (in vivo)として、マクロファージ特異的DNase II KO(DNase II-flox/LysM-Cre)マウスとアポリポ蛋白E欠損(ApoEKO)マウスを交配し、マクロファージ特異的DNase II欠損ApoE KO(DNase II-KO/ApoE KO)を樹立した。これらのマウスに、生後7週齢から西洋食を開始し、生後9週齢からアンギオテンシンII(Ang II, 1.0 μg/kg/min)を4週間持続皮下投与し、動脈硬化病変の形成や不安定化の程度を様々な組織学的・分子生物学的手法により比較検討することで、動脈硬化病変形成におけるDNase IIの影響を検討を行った。また、核酸受容体を標的とした動脈硬化の治療方法の可能性の検証も行った。マクロファージ活性化におけるDNase IIの役割の検討(in vitro)も行っている最中である。途中経過を含めて国際学会を含めた複数の学会で発表を行い知見を広めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「マクロファージに存在するDNase IIが、障害を受けた血管構成細胞から放出される遊離核酸断片を分解し、核酸受容体を介した炎症応答を減弱することで、血管の炎症や動脈硬化病変の形成を抑制する」という新しい仮説に基づいて実験を行っている。DNase IIの動脈硬化病変形成における役割の検討 (in vivo)など、おおむね順調に進展している。学会発表をいくつかの学会で行い、新たな視点や考え方を検討しながら実験を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでDNase IIの動脈硬化病変形成における役割の検討 (in vivo)などを行っており、今後はTLR9 KOマウスを作成し、マクロファージ特異的DNase IIが動脈硬化に与えている影響をより具体的に検討する予定である。TLR9 KOマウスでも同様の検討を行い、TLR9が関与しているか検討する。また、TLR9 KOマウスの腹腔内マクロファージを用いて同様の実験を行い、STINGとは別の経路の作用であることを検討予定である。TLR9 KOマウス作成に時間がかかったが、順調に育ってきており、実験を遂行できると判断している。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)