右室心筋におけるヒストン修飾因子「SF3B1」の発現傾向と心不全の可逆性
Project/Area Number |
21K16491
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 55030:Cardiovascular surgery-related
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
杉本 愛 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (00723941)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | Hーscore / 血行動態との関連 / SF3B1 / 右室心筋 / 病理組織検査 / 慢性右心不全 / ヒストン修飾因子 / 慢性心不全 |
Outline of Research at the Start |
幼少期の心臓手術に耐術し成人期に到達する患者が増加し、遺残病変等を背景に再手術を要する事例が増加した。多くの場合、患者は慢性右心不全を呈する。心機能温存を念頭においた適切な時期での手術介入が求められるが、限られた典型的事例(ファロー四徴症遠隔期における肺動脈弁置換術)における臨床的指標のほかは、確立されたものはない。
本研究では、慢性右心不全を呈した右室心筋における、ヒストン修飾因子:Splice factor 3bunit1(SF3B1)(心筋が負荷に耐える上で重要な役割を果たす)の発現傾向を評価し、術前後の心不全の指標と比較検討することで、適切な手術介入時期を模索する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、蓄積された組織標本およそ50例について免疫組織化学染色によりSF3B1の発現率(H -score)の評価を行った。まず全体で、術前患者データとの関連を検討したが、患者背景が多岐に渡り、年齢層が異なる場合に同じ評価項目を用いることが困難であるなどあったため、まず、対象を「初回心内修復術を行った25例」に限定して解析を行った。Hーscoreと関連する術前の血行動態指標が明らかとなり、右室・左室負荷がHーscore発現亢進と関連した。この検討結果は、2022年10月に行われた日本胸部外科学会学術集会において口演発表の機会を得られ、こちらは、優秀ポスター賞を受賞に至った。これに、同年度に追加で染色・評価を行った標本を加え、n=50として再度解析を行い、主な結果や傾向についてさらに明確な結果が得られており、論文投稿に向けて準備を進めている。また、同年の医学研究実習においても研究テーマとして取り上げ、今度は、再治療介入を行った23例にて同様に解析を行った。初回心内修復群が主に乳児や幼児期早期であるのに対し、ある程度年齢の進んだこちらの群では、H-scoreの発現傾向に違いが認められた。どこかで心負荷にともなってHーscoreの発現は低下し始めるのではないかと推察された。いずれも、まだnが少ない状況で、術後経過と合わせてのリスク評価には至っていない。今後、症例を重ねた上で、nを増やした状況あるいは疾患群をそろえてある程度のnを形成し、心不全の改善までを視野に入れた検討ができると良いと考えているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在まで、症例の蓄積については年間15-20例程度と順調に進んでおり、それらを、順次免疫組織化学染色にて評価してきている。2022年度については、追加症例を加えながら、データ解析をさらに進められており、症例を追加することでより結果が明確になりつつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、さらに症例を蓄積しつつ、得られたデータの論文投稿に向けて準備を進める予定である。 2023年度においては、抗体の使用期限を見ながら、無駄なく染色を進め、症例増加とともに、疾患群をそろえての傾向分析ができないか探る予定である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(6 results)