上皮細胞-樹状細胞の連携による上皮細胞間バリア構築と歯周病への応用
Project/Area Number |
21K16935
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57010:Oral biological science-related
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
池崎 晶二郎 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (00849276)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
|
Keywords | 歯周病 / 付着上皮 / セマフォリン / Rhoシグナル / 上皮細胞 |
Outline of Research at the Start |
歯周病は口腔常在菌を原因菌とする慢性感染症である。その病態の進行にはバリア機能を果たす上皮細胞とT細胞や抗原提示細胞などの免疫細胞が関わっていると考えられている。我々のグループでは歯周組織における上皮細胞にセマフォリン(Sema)4A, 4Dが発現していること、Sema4Dのシグナルが上皮細胞の接着と分化を制御していることを明らかにしてきた。本研究では、これまでの成果を発展させ、上皮細胞に加え樹状細胞におけるSema4Aの発現が細胞間接着に与える影響を調べることで歯周組織の恒常性とバリア機能の構築における、上皮-免疫担当細胞連携の役割を明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病はPorphyromonas gingivalisなどの歯周病原菌によって歯周組織(歯肉、歯根膜、歯槽骨)に炎症性病変が起こる疾患である。付着上皮は歯肉溝の底部においてエナメル質に接する上皮組織である。付着上皮には一般的な上皮組織と比較して細胞間接着装置やターンオーバーの速さなどの点で異なった特徴がある。この特徴が、歯周病の病態進行に対する防御機構を担っていると考えられる。しかし、付着上皮細胞同士が細胞間接着装置を維持するメカニズムについて不明な点は多い。本研究は神経軸索ガイダンス因子として知られるセマフォリン (Sema) に着目し、上皮細胞と樹状細胞におけるSema4Aの発現が付着上皮における細胞間接着装置の発現に与える影響を調べることで歯周組織の恒常性とバリア機能を構築するメカニズムを明らかにすることを目的とする。本年度は昨年度に続いて、樹立したマウス付着上皮細胞株の機能解析を行った。研究成果をまとめ論文を執筆し関連学会での発表を行った。また、樹立したマウス付着上皮細胞株を用いたin vitro歯周炎モデルを確立した。さらに、炎症誘導条件下において樹状細胞と共培養により上皮細胞が示す動態変化の解析を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウス付着上皮細胞株(mHAT-JE01)はハイドロキシアパタイトに対する接着タンパクであるODAMやFDC-SPなどの分子を発現しており、リン酸カルシウム処理が施された培養皿に対して粘膜上皮よりも高い接着能を持っていることが分かった。また、P. gingivalis由来のリポ多糖を用いた培養実験では、mHAT-JE01細胞において上記の接着タンパクやいくつかの細胞間接着装置の発現が低下した。この結果はこれまでに報告のある動物実験系と類似するものであり、mHAT-JE01細胞がin vitroでの炎症誘導実験に活用できる細胞株であると考えられた。さらに、マウス骨髄細胞から得られた樹状細胞をとの共培養実験系では、mHAT-JE01細胞で細胞間接着に関わる遺伝子とSema4Aの発現が上昇する傾向がみられた。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、前年度行ったmHAT-JE01細胞とマウス樹状細胞の共培養の実験系を引き続き行い、樹状細胞が付着上皮組織のバリア構築にもたらす影響を解析する。特に、セマフォリンの下流におけるRhoシグナルの活性にも着目して、共培養条件における付着上皮細胞Rhoシグナル活性が上皮バリアを向上させるメカニズムを明らかにする。これまでの研究成果をまとめ、関連学会での報告及び学術論文の作成を目標とする。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)