教師なしで学ぶ汎用型3次元形状特徴量の開発と,少数派3次元形状の解析への応用
Project/Area Number |
21K17763
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 61010:Perceptual information processing-related
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
古屋 貴彦 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (00770835)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 3次元形状 / 形状特徴量 / 教師なし学習 / 深層学習 |
Outline of Research at the Start |
3次元(3D)形状データの解析(例:分類,比較,検索,領域分割)では,3D形状特徴量が重要な役割を持つ.近年では深層学習で獲得する形状特徴量が主流となった.しかし,従来の形状特徴量は,学習に用いた特定の種類の3D形状に過剰に適合するために用途が限られる. 本研究は,幅広い形状種に使える「汎用型」の形状特徴量を教師なし深層学習で獲得する.教師なし学習により,ラベルを持たない多量の3D形状を学習に活用できる.さらにスパース符号化技術の導入により特徴量の汎用性を高める.汎用型形状特徴量は特に,製造・医療・建築等の分野に存在する,同種形状サンプルが少ない「少数派」3D形状の解析精度の改善に役立つ.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究のねらいは,製造・医療・建築・防災等の幅広い分野で利用される多種多様な3次元形状データを効果的に解析(例:分類,比較,検索,領域分割,再構成,位置合わせ)することである.従来の教師あり深層学習による3次元形状解析は,人手によりラベル付けされた形状データが多数必要となるため,実用面で制限があった.本研究課題では,ラベル付けされたデータが不要である教師なし深層学習の枠組みで,幅広い形状種の解析に使える「汎用型」の3次元形状特徴量を獲得する技術の確立を目指す. 2年目の研究実績は主に2つある.1つ目は,1年目に実施した研究の論文発表である.3次元形状データ(特に3次元点群データ)の検索または再構成に焦点を当てた2編の論文について,いずれも査読付きの国際学術論文誌に採録された.2つ目は,物体の回転に影響されない形状特徴量の教師なし深層学習に焦点を当てた研究の実施である.3次元物体とスキャナの姿勢や形状モデリングソフトウェアに依存して,3次元点群の向きは不揃いとなる.物体の向きに依らず3次元点群データを高精度に解析できることは,汎用型の3次元形状特徴量にとって必須の性質である.そこで我々は,回転不変性を持つ深層ニューラルネットワークと,これを自己蒸留の枠組みで効果的に訓練する手法を開発した.評価実験を通して,我々の開発した手法の解析精度が既存手法を大きく上回ることを実証した.本研究成果をまとめた論文は,国際論文誌へ投稿予定である. ここまでの研究を通して,本研究課題の目的である汎用型3次元形状特徴量の獲得にある程度近づいた.しかしながら,1年目と2年目の研究は3次元形状の比較,検索,再構成で評価を実施しており,これ以外のタスク(例:領域分割,位置合わせ)では未評価である.最終年度は,より多くのタスクで実験を実施することで,開発した3次元形状特徴量の汎用性を定量的に評価する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の進捗状況はおおむね順調である.2年目の計画は,汎用型形状特徴量の開発,およびその汎用性の評価であった.これらの内,汎用型形状特徴量の開発については,2年目に実施した研究においてある程度達成することができた.2年目に開発した物体の回転に影響されない形状特徴量は,幅広い3次元形状解析シナリオに利用できるため,高い汎用性を持つ.しかし一方で,汎用性の定量的評価が現時点では不十分である.つまり,ここまでの研究で焦点を当てた比較,検索,再構成以外の解析タスク(例:分類,領域分割,位置合わせ)での評価が未実施である.分類,領域分割,位置合わせの精度を評価するための標準的なベンチマークデータセットは公開されているため,これらデータセットを用いることで評価が可能である.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である3年目の方策として,まず2年目に得た研究成果の国際論文誌への採録を目指す.これと並行して,我々が開発した汎用型3次元形状特徴量の定量的評価を実施する.分類および領域分割タスクについては,標準的なベンチマークデータセットであるShapeNet(Changら)とScanObjectNN(Uyら)を利用する.位置合わせタスクについては,SUN3D(Xiaoら)等を利用する.タスクによっては,これまでに開発した深層ニューラルネットワーク構造の変更が必要であるため,3次元点群向けオートエンコーダといった関連研究を参考にしつつネットワーク構造を変更する.得られた研究成果を国際学術論文誌論文,または国際学会論文として発表し,世界に広く知らしめる.また,3年に渡る本研究課題の成果と残された課題を振り返り,次の研究課題へ繋がる素地を培う. 3年目の研究における深層ニューラルネットワークの訓練,および評価実験を実施するためには,豊富な計算資源が必要である.そこで,多数の演算コアと大容量のVRAMを持つGPUを複数搭載した計算機を1台購入し評価実験に役立てる.
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)