細胞内オルガネラにおける植物ホルモン分子の貯蔵・再放出系の解明
Project/Area Number |
21K19097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 38:Agricultural chemistry and related fields
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
林 謙一郎 岡山理科大学, 生命科学部, 教授 (30289136)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | オーキシン / オルガネラ / 貯蔵型ホルモン / 植物ホルモン |
Outline of Research at the Start |
植物ホルモンであるオーキシンは,核内受容体に結合してホルモン活性を発揮する。細胞内のオーキシンが,小胞体などの細胞内オルガネラへ一時貯蔵されることよって,核へと移行するオーキシン量が調節されることを実験的に証明する。それにより,これまでのホルモンの生合成・輸送・分解によるホルモン活性の調節に加えて,ホルモンのオルガネラ局在制御による新奇な植物ホルモンの活性調節機構の解明に挑む。
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Outline of Annual Research Achievements |
オーキシンの細胞濃度は,その極性輸送によってオーキシンを細胞内外に輸送することで調節されている。シロイヌナズナにおいては,小胞体や液胞へのオーキシンの細胞輸送に関わるオーキシン輸送体(PIN, PILS, WAT1)がと報告されている。そのうちのいくつかの欠損変異体では,オーキシンに関係した形態異常が観察されているが,オルガネラへ貯蔵されたオーキシンの分布や生理的意義は明らかとされていない。オーキシン受容体は核内に存在するため,オーキシンは核内に移送されて初めてその活性を発揮する。オーキシンの配糖体やアミノ酸複合体などのオーキシン代謝物が小胞体などの細胞内コンパートメントへ一時貯されることよって,オーキシン量が調節されることを証明する。それにより,細胞内局在化によるオーキシンの活性調節機構の解明を推進してきた。 今年度は,アミノ酸付加酵素GH3.17,オーキシンアミノ酸加水分解酵素ILR1および,オーキシン配糖体にかかわる配糖体化酵素(UGT84B1)に,野生型,細胞質局在,小胞体局在,核局在シグナルを付与した GFPをN末端,C末端に融合させた代謝酵素を発現する形質転換体を構築し,その局在を確認した。また,プロドラッグ活性化酵素に小胞体局在,核局在シグナルを付与して,それぞれのオルガネラで特異的にIAAを投与することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Aオルガネラ局在シグナルを付与したGFPを融合した代謝酵素を発現する形質転換体(UGT84B1配糖体化酵素,GH3.17酵素,および ILR1加水分解酵素)のバリエーションを構築し,その細胞内局在を共焦点顕微鏡で確認した。また,通常のGFPを融合させた代謝酵素の発現ラインを,小胞体,ミトコンドリア,細胞質RFPマーカーラインと交配させて,2重変異体を作製し,野生型の代謝酵素の局在を確認した。その結果,GH3とDAO酵素は主に細胞質に局在し,ILR1は小胞体に局在することが確認できた。すなわち,オーキシンの代謝・再生は,異なる細胞内コンパートメントで行われており,オーキシンやオーキシン貯蔵体を小胞体で一時保管する機構が存在することが示唆された。 通常,培地などからオーキシンを投与すると細胞質から小胞体,核へと順次分配される。上記の機構(モデル)を検証するため,小胞体と核に選択的かつ直接的にオーキシンを投与するため,オルガネラ局在を人為的に制御したオーキシンプロドラッグ活性化酵素システムを確立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に計画が,形質転換体などの植物の育成などに時間がかかり、予定していた消耗品や代謝物分析のための費用が,計画を下回った。2年目は,ほぼ計画通りの費用を使用したが,初年度の未使用額があり,最終年度は研究を加速して,物品として、代謝物分析装置などの購入を予定している。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Chemical inhibition of the auxin inactivation pathway uncovers the roles of metabolic turnover in auxin homeostasis2022
Author(s)
Fukui K, Arai K, Tanaka Y, Aoi Y, Kukshal V, Jez JM, Kubes MF, Napier R, Zhao Y, Kasahara H, Hayashi KI.
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A
Volume: 119
Issue: 32
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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