Project/Area Number |
21K19448
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 52:General internal medicine and related fields
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北畠 康司 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80506494)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | ダウン症候群 / iPS細胞 / ゲノム編集 / 遺伝子治療 / アストロサイト |
Outline of Research at the Start |
ダウン症候群では知的障害と認知障害が起こる。ダウン症候群のアストロサイトではNLRP3インフラマソームの活性が亢進し、神経細胞に強い変性細胞死をもたらす。その原因遺伝子であるDYRK1Aのコピー数を正確に修正するために、新規のゲノム編集技術CRISPR-Cas3に注目し、アレル特異的SNPを用いてDYRK1Aのアレル選択的コピー数修正を行うことを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
ダウン症候群では、21番染色体トリソミーにより重篤な知的障害と認知障害が起こる。我々はダウン症候群のアストロサイトではNLRP3インフラマソームの活性が亢進し、神経細胞に強い変性細胞死をもたらし、かつその原因遺伝子がDYRK1Aであることを明らかにした。本研究ではそのコピー数を正確に修正するために、新規のゲノム編集技術CRISPR-Cas3に注目し、アレル特異的SNPを用いてDYRK1Aのアレル選択的コピー数修正を行うことを目指している。昨年度までの研究により、DYRK1Aの3つのアレルのうち1つだけに存在するSNPを見出し、このアレル特異的SNPを含んだguide RNAを作製してCRISPR-Cas3を作用させてみたところ、iPS細胞においてDYRK1Aのゲノム量が減少することを確認することができた。さらにiPS細胞から分化誘導したアストロサイトにおいても、CRISPR-Cas3によって正確なゲノム量減少を確認することができた。今年度はこのゲノム編集を加えたアストロサイトをもちいて解析を行った。DYRK1Aの遺伝子量が補正されたアストロサイトではDYRK1Aの発現量が低下し、アストロサイトの異常な増殖亢進作用が正常化していた。さらにNLRP3の発現量低下とNLRP3インフラマソームがもたらす炎症応答の減弱も確認することができた。重要なことに、アストロサイトと共培養した神経細胞において、そのアポトーシスも抑制されることが分かった。このことは、CRISPR-Cas3とアレル特異的SNPの組み合わせによる遺伝子量補正が有効であること、そしてダウン症におけるDYRK1Aのコピー数補正が病態改善に繋がる可能性があることを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アストロサイトにアレル特異的SNPとCRISPR-Cas3を組み合わせることによって、ダウン症アストロサイトの持つ異常な表現型が改善されることを示すことができ、さらにそのアストロサイトと神経細胞の共培養によって、神経アポトーシスを抑制することができた。このことはこのアレル特異的ゲノム編集による遺伝子治療法が有効である可能性を示すであろう。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はin vivoでの検証が必須となり、そのためにも神経系への核酸送達が可能となるドラッグデリバリーシステムの開発が重要となるが、アデノ随伴ベクターではCRISPR-Cas3が搭載できないことが分かってきた。そこで脂質ナノ粒子の開発を進めていきたい。
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