Development of human alveolar organoid culture method using complete medium
Project/Area Number |
21K19491
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 53:Organ-based internal medicine and related fields
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
森本 充 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (70544344)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | オルガノイド / 肺胞 / 生体ヒト組織 / 完全培地 |
Outline of Research at the Start |
本研究計画は、呼吸器の基礎研究、疾患研究を大きく変革させる、完全合成培地によるヒト肺胞オルガノイド培養法の確立を目指すものである。大学病院で採取されたヒト肺組織から肺胞幹細胞を単離し、線維芽細胞や血清を含まない完全合成培地でヒト肺胞オルガノイドを作成する技術を確立することを目的とする。その研究目的を達成するため、(1)新鮮な生体ヒト肺組織の入手、(2)ヒト肺胞オルガノイドに適した培養条件の開発、(3)ヒト肺胞幹細胞の継代と保存技術の開発を実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
呼吸器疾患の患者数は世界的に増加しており、人類の脅威になりつつある。呼吸器疾患の病因解明、治療法開発を強力に押し進めることができる実験モデル、創薬プラットホームの構築が急務である。最近、生体の3次元組織構造を反映する幹細胞培養法“オルガノイド培養”により、が開発され、肺胞オルガノイドが開発されたが、この培養系では幹細胞をサポートする肺線維芽細胞を添加する必要があり、細胞の反応や病理現象を再現するには不完全であった。本研究で我々は神戸大学病院の呼吸器外科、内科の協力のもと、ヒト肺生組織を入手し、組織幹細胞であるAT2細胞の単離を試みた。MACSカラムを使ってHTII-280抗原を細胞表面に持つ、ヒトAT2細胞を単離した。単離したAT2細胞を培養するために、培地の条件検討を行なった。その結果、ヒトAT2細胞を培養し、3次元の球体“スフェロイド”を誘導することに成功した。しかし、成長は限定的で十分に成長させることは難しかった。今後、継代ができる培養条件を検討することと、このAT2細胞スフェロイドを使った実験モデルの開発を行うつもりである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度整備した新鮮な生体ヒト肺組織の入手経路を使って、神戸大学呼吸器内科の永野達也医師、および呼吸器外科の担当医と連絡をとり、術後検体を受け取った。具体的には、神戸大学病院で肺がん患者の肺がん患部を切除し、その検体の正常部分について切り分けて、病院内で当研究室の研究員が受け取った。研究員は検体を生理食塩水に浸して氷冷し、厳重に密閉して研究所まで輸送した。研究所に持ち込まれた生体ヒト肺組織は、P2細胞培養施設に持ち込まれ、肺胞以外の部分を外科的に切除し、消化酵素で分解され、物理的な破壊により解された。MACSカラムで生成されたAT2細胞をマトリゲル中で培養した。条件検討の結果、以前よりも大きなスフェロイドを形成することに成功した。また、1度の継代培養にも成功し、一度の組織分与から、より多くのスフェロイドの誘導ができるプロトコールを作成することができた。一方で、凍結保存および解凍後の再培養には成功しておらず、今後更なる検討が必要だと感じている。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトの生肺組織は貴重であり、分与を受けた試料から効率的に高品質のオルガノイドを作成する技術が求められている。これまでの研究成果から、以前よりも高効率に、肺線維芽細胞非依存的なヒトAT2細胞の増幅ができるようになってきた。しかしながら、マウスAT2細胞の培養系と比較すると、その効率はまだ低く、培養条件の改良の余地があると考えられる。培養効率の上げるための努力は継続して行う予定である。また、継代培養は一度しか行っていない。2度以上の継代は、細胞の状態が著しく変化してしまい、AT2細胞本来の性質を失っているように見えた。細胞の凍結融解においても、凍結後はほとんど細胞分裂が起こっていないように見えた。一方で、作成されたヒトAT2細胞スフェロイドを使った、幹細胞機能解析実験や、ヒト肺疾患モデルの構築を同時に進めていく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)