口腔細菌叢のメタゲノム解析による非アルコール性脂肪肝炎発症機序解明と新規予防戦略
Project/Area Number |
21K19604
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 57:Oral science and related fields
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
仲野 道代 (松本道代) 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (30359848)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲 周平 岡山大学, 大学病院, 講師 (10589774)
高木 章乃夫 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (80359885)
|
Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
|
Keywords | 非アルコール性脂肪肝炎 / Streptococcus mutans / モデルマウス / 口腔細菌叢 / メタゲノム解析 / メタボリックシンドローム |
Outline of Research at the Start |
非アルコール性脂肪肝炎の増悪化に、歯周病原性細菌が関与していることを明らかにした。しかしながら、非アルコール性脂肪肝炎は小児期に多いが、小児期は歯周病原性細菌の検出率は低い。その点に着目し、小児期にもっとも多く検出される齲蝕原性細菌であるS. mutans と非アルコール性脂肪肝炎への関与を検討し、コラーゲン結合タンパクを有するS. mutansがこの疾患の増悪化に関与している可能性が示された。本研究では、脂肪肝を呈する小児患者の口腔細菌叢のメタゲノム解析を行い、原因となる菌のスクリーニングを行い、それらの菌を用いてin vitro 系および動物モデルを用いて分析したいと考えている。
|
Outline of Annual Research Achievements |
非アルコール性脂肪性肝疾患 (NAFLD) は,病態の進行が稀な単純性脂肪肝 (NAFL) と肝硬変や肝細胞癌へ進行することがある非アルコール性脂肪肝炎 (NASH) に分類される。本研究では、NASHモデルマウスを用いて、Cnm および PA 陽性 S. mutans による病態進行への関与を検討したので報告する。 NASH 患者の唾液中から分離したCnm および PA 陽性 S. mutans KT3 株と、感染性心内膜炎患者からの血液分離株である TW871 (Cnm 陽性, PA 陽性) 株を用いて NASH モデルマウスにおける検討を行った。C57BL/6J マウス (6 週齢オス) に 4 週間高脂肪食を摂取させ、頸静脈より各菌投与群と菌非投与群に分け、高脂肪食の摂取を続けた。菌投与 12 週後に 3 群における体重の測定を行った後、屠殺した後、肝臓および内臓脂肪を摘出し、 重量を測定した。また、Hematoxylin-Eosin (HE) 染色および Masson’s-trichrome(MT)染色により,マウス肝臓組織の変化を分析した。各群における体重および内臓脂肪重量に有意な差は認められなかった。一方で, KT3 株投与群から摘出した肝臓は、非投与群の肝臓と比較して肥大しており,肝臓重量は有意に高い値を示した。 また, 肝臓組織の HE 染色像では,肝実質における顕著な脂肪の蓄積を認め、KT3および TW871 投与群の HE 染色像では、 炎症性細胞の浸潤が認められた。さらに、MT 染色では、顕著な肝実質および血管周囲に明確な線維化像を認めた。本研究の結果から、動物モデルにおいて、NASH 患者より分離したCnm および PA を保有する S. mutans が血液中に侵入すると、 NASH の病変に類似する病態が生じることが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
他の疾患から分離された菌を用いてモデルマウス実験を行うことによって、NASH患者から分離された菌で特異的にNASHを発症することを明らかにすることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、さらに病態発症メカニズムについて検討を行う予定である。 1) 肝臓組織への菌の結合メカニズムを検討 2) 病態発症における菌の表層構造および生物学的特性の解析
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)