Project/Area Number |
22H00236
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 23:Architecture, building engineering, and related fields
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木多 道宏 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (90252593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤村 信英 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (30294599)
杉田 映理 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (20511322)
志摩 憲寿 東洋大学, 国際学部, 准教授 (90447433)
下田 元毅 大手前大学, 建築&芸術学部, 講師 (30595723)
清水 信宏 北海学園大学, 工学部, 准教授 (60892304)
小島 見和 福山市立大学, 都市経営学部, 助教 (80899873)
岡崎 瑠美 芝浦工業大学, 建築学部, 准教授 (90780792)
江端 木環 京都女子大学, 家政学部, 助教 (40982608)
中島 直人 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30345079)
土田 寛 東京電機大学, 未来科学部, 教授 (00625353)
安福 健祐 大阪大学, サイバーメディアセンター, 准教授 (20452386)
金 徳祐 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (80987769)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥41,860,000 (Direct Cost: ¥32,200,000、Indirect Cost: ¥9,660,000)
Fiscal Year 2024: ¥8,710,000 (Direct Cost: ¥6,700,000、Indirect Cost: ¥2,010,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,930,000 (Direct Cost: ¥6,100,000、Indirect Cost: ¥1,830,000)
Fiscal Year 2022: ¥10,140,000 (Direct Cost: ¥7,800,000、Indirect Cost: ¥2,340,000)
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Keywords | 非正規市街地 / 地域文脈 / 自律的市街地改善 / 危機的社会課題 / 国際共同研究 / スラム / 学校を核としたまちづくり / 都市形成 / 非正規市街地・スラム / 自律的改善 / 学校 |
Outline of Research at the Start |
非正規市街地・スラムの改善は世界的な課題であるが、抜本的な解決策は見出されていない。本研究はアフリカの2都市を対象とし、都市の社会・空間を成立させている、社会組織・維持管理の仕組み・心的構造などの(目に見えない)構成原理である「組織的文脈」と、地域の人々(もしくはプランナー)が過去から創意工夫を重ねて取り組んできた「まちづくり」に関わる(時代を越えた)テーマや考え方である「連鎖的文脈」とを、都市レベルとコミュニティレベルで読解し、「学校を核としたまちづくり」により発展的に継承することで、自律的に市街地環境を改善するための都市社会モデルの構築を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
「非正規市街地改善モデル構築プログラム」に従い、アクラにおけるフェーズ3とフリータウンにおけるフェーズ1に取り組んだ。 【アクラ】コミュニティレベルでは、SbD授業を計画する前に、対象とする公立小学校が地域の人々と連携し、地域の核となりうるかについて、コミュニティ構成員と教員等へのヒアリング調査を行った。その結果、教員と保護者との個人的な関係はあるが、PTAは機能しておらず、教員とコミュニティとの関係は希薄であることがわかった。一方、コミュニティは従来よりチーフをリーダーとする支援組織を自主的に組織し、本の寄付などを行ってきたことも明らかとなった。そこで、当組織に支援を仰ぎ、学校教員、研究者とでSbD授業のためのプラットフォームを構築し、授業の計画から実施までを行うこととなった。定期的にオンラインミーティングを開催し、地域の改善(シュラインの創作)を目標とする、調査・デザイン・実践の12週間からなるプログラムを策定した。都市レベルでは、フェーズ3と4を同時に進行させて、アサンテ王国時代と独立後の都市形成・都市計画について重要文献を収集した。特に植民地化による英国式都市計画の導入後における慣習的土地管理制度の残存状況のフォローが重要であることがわかった。 【フリータウン】コミュニティレベルでは、フェーズ2も同時に進行させて、Moyiba地区に自己組織的に形成されている歩行者ネットワークと地域社会組織の実態を把握するとともに、COVID-19の克服により得た経験と課題を明らかにした。都市レベルでもフェーズ2を同時に行い、あまりにも急激なスラムの拡大と、激しい内戦からの復興の遅延など、現代に積み重なる複合的な都市問題の実態がわかった。また、国際連合人間居住計画(UN Habitat)が当共同研究グループに注目し、モザンビーク首都マプトへの適用を依頼されたため、フェーズ1を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「非正規市街地改善モデル構築プログラム」はコミュニティレベルにおけるフェーズ1:コミュニティにおける地域分脈の解読、2:コミュニティが解決するべき社会課題の設定、3:SbD授業の計画、4:SbD授業の実践、5:SbD授業の継続とコミュニティプランの立案と、都市レベルにおける1:都市形成の把握、2:現代の都市計画における課題設定、3:継承するべき都市計画の理念の解読(植民地化前)、4:継承するべき都市計画の理念の解読(独立後)、5:都市計画制度の立案からなる。当初計画では、アクラはコミュニティレベル、都市レベルともフェーズ3、フリータウンは両レベルともフェーズ1まで完了することとしていた。アクラのコミュニティレベルでは、地元組織との連携や、小学校の上部組織(カトリック教会)からの承諾、IT環境の確保などのために様々な困難に遭遇したが、全てを克服し、フェーズ3を完了した。都市レベルについては、作業の効率上、今年度と次年度の2年間でフェーズ3と4を同時に進めることが有利であると判断し、計画を変更したが、実質的な進行状況としては当初のペースを維持している。フリータウンのコミュニティレベルでは、ロンドン大学の協力を得て、コミュニティレベルのフェーズ1を完了し、さらにフェーズ2に必要な情報収集まで終えたため、次年度はその考察と小学校の設定に集中できる状態となった。都市レベルでは、今年度と次年度の2年間でフェーズ1と2を同時に進めることが有利であると判断し、フェーズ1のみ取り組む予定であった当初計画と進捗に遜色はない。さらに、想定外の成果として、UN Habitatからの依頼により、マプトの非正規市街地・スラム改善に取り組む実務家や研究者と連携することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
「非正規市街地改善モデル構築プログラム」に従い、アクラにおけるフェーズ4とフリータウンにおけるフェーズ2までの作業に取り組む。 【アクラ】コミュニティレベルでは、従来より学校を支援してきた地域組織(Abese Adonten Educational Trust: AAET)並びに学校の教員と構築したプラットフォームを活用し、SbD授業を実施する。その試行の過程で生じた様々な問題点と解決方法を記録し、ガイドライン策定のための資料とする。都市レベルでは、フェーズ4まで作業を進め、現代に継承するべき過去の都市計画の理念を解読する。 【フリータウン】コミュニティレベルでは、フェーズ2として、優先的に取り組む地域の社会課題を検討し、SbD授業の計画のための資料とする。都市レベルではフェーズ2まで作業を進め、現代の都市計画上の課題の洗い出しとその原因を考察する。 【その他】UN Habitatから依頼されたマプトへのSbDの適用の可能性について検討する。
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