Project/Area Number |
22H04913
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Research Category |
Grant-in-Aid for Specially Promoted Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田島 治 京都大学, 理学研究科, 教授 (80391704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木内 健司 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (00791071)
Matsuda Frederick 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 特任助教 (40867032)
櫻井 雄基 公立諏訪東京理科大学, 工学部, 准教授 (50780847)
松村 知岳 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 准教授 (70625003)
安達 俊介 京都大学, 白眉センター, 特定助教 (80835273)
服部 誠 東北大学, 理学研究科, 准教授 (90281964)
長谷川 雅也 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究機関講師 (60435617)
鈴木 惇也 京都大学, 理学研究科, 助教 (90795014)
片山 伸彦 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 教授 (50290854)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥620,620,000 (Direct Cost: ¥477,400,000、Indirect Cost: ¥143,220,000)
Fiscal Year 2024: ¥246,220,000 (Direct Cost: ¥189,400,000、Indirect Cost: ¥56,820,000)
Fiscal Year 2023: ¥220,740,000 (Direct Cost: ¥169,800,000、Indirect Cost: ¥50,940,000)
Fiscal Year 2022: ¥55,250,000 (Direct Cost: ¥42,500,000、Indirect Cost: ¥12,750,000)
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Keywords | 宇宙背景放射 / インフレーション / 原始重力波 / ニュートリノ |
Outline of Research at the Start |
「宇宙のはじまりとは?」人類が抱く究極の問いに迫る。宇宙最古の光である宇宙マイクロ波背景放射(CMB)には、重力場の量子ゆらぎとインフレーション宇宙論の証拠である「原始重力波」、素粒子大統一理論を探る鍵となる「ニュートリノ質量和」、さらには「暗黒放射」など、宇宙創成を記述する物理学に直結する情報が豊富に含まれている。史上最大のCMB望遠鏡群を用いる実験“Simons Observatory”でこれらのサイエンスを網羅し、宇宙創成の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
「宇宙のはじまりとは?」人類が抱く究極の問いに迫る。宇宙最古の光である宇宙マイクロ波背景放射(CMB)には、重力場の量子ゆらぎとインフレーション宇宙論の証拠である「原始重力波」、素粒子大統一理論を探る鍵となる「ニュートリノ質量和」、さらには「暗黒放射」など、宇宙創成を記述する物理学に直結する情報が豊富に含まれている。史上最大のCMB望遠鏡群を用いる実験“Simons Observatory”でこれらのサイエンスを網羅し、宇宙創成の解明を目指す。
観測データがあるだけでは実験研究は成功しない。データを活かすも殺すも望遠鏡の“較正”次第である。その中でも特に重要になるのが、偏光角(CMB 偏光軸とそれを検波するアンテナの向きがなす角度)の較正と、焦点面センサーの時間応答性の較正である。これらを較正するため、先行研究に引き続き「まばらに張ったワイヤーグリッド」を使った較正装置“Sparse Wiregrid Calibrator”と、人工の黒体放射源を用いた較正装置“Stimulator”を開発し、実験室内でのコミッショニングを行った。このコミッショニングデータを評価分析するために解析ソフトウェアの開発も進めた。較正以外にも実験感度を制限しかねない系統誤差要因がある。その最大要因である「迷光」の望遠鏡内への侵入を徹底的に遮断するための“バッフル”も開発・現地搬送した。また、次年度より開始する5台目の望遠鏡(名付けてJSAT)の開発に向けて、望遠鏡を設置するプラットフォームの設計を完了し、その製作を開始する準備を完了した。このプラットフォームの設計は当初の計画よりも一年早く達成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では、日本独自のCMB望遠鏡「JSAT」を開発し、チリ・アタカマ高地に設置して観測を行う計画である。当初、望遠鏡のプラットフォームの設計と製作はそれぞれ2023年度と2024年度を予定していた。一方で、共同研究を行うイギリスグループも同様な望遠鏡を追加で開発することになった。これを受けて、日英で共同で設計開発を前倒しして今年度進め、2023年度に前倒し製作する準備を完了した。 以上の理由から、当初の計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
望遠鏡プラットフォームの製作を当初予定より一年前倒しして進める。それに伴って、観測サイトの整備も前倒しして進めていく。プラットフォームに搭載する望遠鏡JSATは、当初の予定通り開発を進める。2023年度には、JSATの重要物品である無冷媒希釈冷凍機等の手配を行う。 一方、先行研究で開発した望遠鏡や較正装置を用いた観測が2023年度より開始される。現地(チリ・アタカマ高地、海抜5,200 m)での観測立ち上げ、データ取得、望遠鏡の較正、そしてデータ解析ソフトウェアの整備を行なっていく予定である。
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