Project/Area Number |
22H04942
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Broad Section B
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
桑江 一洋 福岡大学, 理学部, 教授 (80243814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 慎一 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (00372558)
江崎 翔太 大分大学, 理工学部, 准教授 (40784533)
石渡 聡 山形大学, 理学部, 准教授 (70375393)
塩谷 隆 東北大学, 理学研究科, 教授 (90235507)
櫻井 陽平 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (90907958)
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Project Period (FY) |
2022-04-27 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥97,760,000 (Direct Cost: ¥75,200,000、Indirect Cost: ¥22,560,000)
Fiscal Year 2024: ¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2023: ¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2022: ¥20,280,000 (Direct Cost: ¥15,600,000、Indirect Cost: ¥4,680,000)
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Keywords | Dirichlet 形式 / マルコフ過程 / 測度距離空間 / RCD空間 / Tamed Dirichlet 空間 / CD(β, N)空間 / MCP(β, N)空間 / 測度集中現象 / 準CD空間 |
Outline of Research at the Start |
測度距離空間、特に「曲率の下限と次元の上限の概念を持つ測度距離空間」についてその幾何学的構造と解析学を最適輸送理論とマルコフ過程の理論を用いて研究する。上述の従来の測度距離空間の研究は古典的なリーマン多様体を完全に包括しておらず、理論体系としては限定的で満足のいくようなものではなかった。例えば境界が非凸なリーマン多様体は既存の測度距離空間の枠組みは入らない、また境界がない場合でもリッチ曲率の下限が無限遠方で発散しいくようなものも入らない。本研究はリーマン多様体やその拡張概念である劣リーマン多様体を包括するような普遍的な理論体系の構築を目指していく。また関連する研究も併せて推進していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
桑江は江崎と院生と共同でTamed Dirichlet space の枠組みでRiesz変換のL^p有界性の導出に成功し、桑江単独でHess-Schrader不等式を一般化することに成功した。また(1,p)-Sobolev 空間についても結果を得た。さらにケムニッツ工科大学のGuneysu氏とリーマン多様体上の加藤クラス関数の特徴づけにも成功した。塩谷は2次元CAT空間の構造を山口孝男氏,永野幸一氏と解明し、度距離空間全体の空間のスケール作用に関する主束の構造について数川大輔氏,中島啓貴氏と結果を得た。太田は、重みつきフィンスラー時空で、リッチ曲率の下限が時間的曲率次元条件と同値である結果を得、重みつきフィンスラー多様体上の非線形熱流の短時間挙動についてVaradhan型の公式を確立した。石渡は非コンパクトリーマン多様体の有限連結和空間において, Bielefeld 大学のGrigor'yan 教授および Cornell 大学の Saloff-Coste教授と共同でポアンカレ定数の特徴づけを発見し、Proc. London Math. から出版された。また,多様体上の非対称ラプラシアン半群の離散近似について慶應大学の河備浩司氏と結果を得てMath. Ann. から出版された。櫻井は國川慶太氏と幾何学流に関する結果を得た(arXiv:2309.11882)。またself shrinker(平均曲率流の自己相似解の一種)に対するMorse指数評価を拡張した.江崎は数川大輔氏、三石史人氏と共同で、ピラミッドに対する不変量を研究し、無限次元ガウス空間と無限次元立方体の区別を行った。この研究成果は論文としてまとめられ、 Adv. Math.に掲載された。その他、数川氏、三石氏と一般化コーシー分布の極限に対応する集中現象を研究し、現在投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
応募時に明記した研究課題は以下の(a),(b),(c),(d),(e),(f)であった。(a): 関数または符号値測度を曲率下限とするRCD空間あるいはその拡張空間の研究, (b):劣リーマン多様体を包括するQCD空間上の汎函数解析, (c): 測度集中現象の解析ならびにそのデータ科学との関わり, (d): リーマン多様体上の非対称作用素による負パラメータBakry-Emery リッチ曲率条件下でのリュウビル型定理, (e): 課題(a),(b)の枠組みでの胴径過程の半マルチンゲール表現, (f): ベクトル場によるローレンツ・フィンスラー多様体上での負パラメータNでの N-Bakry-Emery リッチ曲率下限条件での幾何解析。(a),(d) については想定を超える研究の進展が見出せた。(c)については分担者塩谷が雇用している横田滋亮氏により測度集中現象によるデータ解析研究が進展した。(f)については分担者太田によって勾配型のベクトル場の場合に予定以上に研究が進展した。(b),(d) について研究があまり進展しなかったが、今後研究を進展させていく所存である。また申請書に明記した内容ではないが(c)については分担者江崎が測度集中現象とピラミッドの解析について想定を超える研究成果を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
課題(a)については曲率の下限が胴径関数と半直線上の関数との合成の場合にRCD(K(),N)空間の局所コンパクト性の導出を目指す。また課題(b)については劣リーマン多様体の統合的扱いについてBarlari-Mondino-Rizziの最近のLagarange的定式化の研究を参考にEuler的定式化の導入を目指していく。課題(c)については引き続き塩谷と太田を中心に研究の進展を図っていく。また課題(d)については純粋な幾何解析な方法で調和関数あるいは調和写像の勾配評価の導出を目指していくと同時に分担者櫻井と大阪大学の藤谷恭平氏との共同研究の成果の拡張を目指していく。課題(e)については課題(a)の進捗に依存するので課題(a)の進捗に合わせて成果の導出を図っていく。課題(f)についてはsub-Finslerの場合も念頭において太田と櫻井とともに成果を目指していく。
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Assessment Rating |
Interim Assessment Comments (Rating)
A: In light of the aim of introducing the research area into the research categories, the expected progress has been made in research.
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