Project/Area Number |
22H04962
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Broad Section D
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Research Institution | Institute of Science Tokyo |
Principal Investigator |
岩崎 孝之 東京工業大学, 工学院, 准教授 (80454031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 尚 国立研究開発法人物質・材料研究機構, ナノアーキテクトニクス材料研究センター, センター長 (80354413)
宮本 良之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 招聘研究員 (70500784)
牧野 俊晴 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究チーム長 (20360258)
岩本 敏 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40359667)
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Project Period (FY) |
2022-04-27 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥193,050,000 (Direct Cost: ¥148,500,000、Indirect Cost: ¥44,550,000)
Fiscal Year 2024: ¥21,840,000 (Direct Cost: ¥16,800,000、Indirect Cost: ¥5,040,000)
Fiscal Year 2023: ¥75,660,000 (Direct Cost: ¥58,200,000、Indirect Cost: ¥17,460,000)
Fiscal Year 2022: ¥43,550,000 (Direct Cost: ¥33,500,000、Indirect Cost: ¥10,050,000)
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Keywords | ダイヤモンド / 量子光源 / 量子ネットワーク / IV族-空孔中心 / 電荷制御 |
Outline of Research at the Start |
安全な通信を可能とする量子ネットワークの実現には、優れた光・スピン特性を有する固体量子光源が必要である。本研究では、これらの特性を両立する可能性があるIV族元素を用いたダイヤモンド量子光源であるスズ-空孔(SnV)および鉛-空孔(PbV)中心の研究を推進する。本研究の目的は、固体量子系の大きな課題である光・スピン特性を支配する電荷制御を、光による制御、高品質化、さらにデバイスを用いたアプローチから実験および理論の協力体制で行い、安定なSnV、PbV中心を用いた量子ネットワークデバイスを創製することである。
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Outline of Annual Research Achievements |
共鳴励起で得られるPbVの自然幅に近い線幅は、他のIV族-空孔中心よりも高い10 K以上においても保たれるが、これが電子-フォノン相互作用の抑制に起因することを明らかにした。イオン打込み後に異なるアニール温度で形成したPbVにおいて、レーザ照射時に電荷安定性に大きな違いが発生することを見出した。高い温度で形成したPbVはより安定しており、複数のほぼ同質な光源の同時観測を可能とした。 SnVへの非共鳴、共鳴レーザの同時照射におけるレーザパワー依存性から、非共鳴レーザによる発光回復よりも非発光状態への遷移が速く起こるという電荷状態遷移モデルを構築した。一方、異なる励起波長では、消失よりも回復が優位となることがわかった。また、SnVの電荷遷移に関係すると考えられるdivacancyの第一原理計算を行い、光励起に対してほぼ発光を示さない欠陥であることを明らかにした。さらに、非共鳴レーザの単独照射下において、SnVとPbVでは励起波長によって異なる消失・回復の挙動を示すことを見出した。 スピン特性として、PbVのスピンの縦緩和時間の測定を行った。また、2 Kに冷却可能なクライオスタットを導入した。さらに、量子光源測定装置でのスピン特性評価系を拡張し、NV中心のパルス光検出磁気共鳴および縦緩和時間の測定を行った。 実際のナノフォトニクス構造を反映した光学的な計算を行い、適切な位置に光源を配置することで、ナノ構造がない場合と比べて取り出せるフォトン数の指標の増加が期待できることを明らかにした。さらに、高温高圧アニール後に発生する凹凸を除去し、高品質量子光源の内包を可能とするプロセス開発に取り組んだ。また、電界印加による波長制御に向けたデバイスの電極構造の設計を行った。量子干渉計測を実施するための系として、光源からの蛍光を干渉系に伝達するためのファイバ系の構築を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高温高圧アニールによって形成した量子光源の温度依存性、電荷制御および理論計算、スピン特性評価、さらに、ナノフォトニクス構造の光学計算や新規プロセス開発、量子干渉系の構築において概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
形成温度を高くしたときに量子光源がより安定になる現象の理解に向けた計測を実施する。また、さらなる形成条件の拡張による量子光源系の欠陥制御に取り組む。非共鳴励起時の電荷遷移メカニズムのさらに深い理解に向けた理論計算および実験を行う。スピン特性評価のために、新たに導入したクライオスタット系の構築を行うと同時に、スピンディフェージングを抑制するための材料開発を行う。量子ネットワークデバイスに関して、量子光源を内包するナノフォトニクス構造の形成を推進する。また、波長制御のための電圧印加用の電極を有する構造を形成する。
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Assessment Rating |
Interim Assessment Comments (Rating)
A: In light of the aim of introducing the research area into the research categories, the expected progress has been made in research.
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