a multicultural approach to social work based on a culture of impartiality under "super-diversity" society
Project/Area Number |
22K01998
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
松岡 克尚 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (90289330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 順子 四天王寺大学, 人文社会学部, 教授 (60309359)
宮崎 康支 関西学院大学, 特定プロジェクト研究センター, 客員研究員 (70868463)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 超多様性 / 多文化共生 / インペアメント文化 / 障害学 / 障害の社会モデル / ソーシャルワーク / 障害者ソーシャルワーク / 多文化共生教育 |
Outline of Research at the Start |
今日の「超多様性」社会では多文化共生を可能とする文化的コンピテンス涵養が急務になっている。しかし従前、「障害」を多文化の一要素として捉え、共生の観点から位置づけることは少なかった。そこで「インペアメント文化」概念により、医学的現象として捉えられがちであった「障害」を文化的現象として把握することを可能にする。 次に、障害者を対象にインタビューを実施し、種別ごとの「インペアメント文化」を収集し、アーカイブ化を行う。更に異なる「インペアメント文化」を相互に理解し、「超多様性」社会における文化的コンピテンスを高める対話的ツールを導出し得る、ソーシャルワークの教育アプローチの枠組みを構築していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
「超多様性」概念が障害の社会モデルに及ぼす影響を理論的に考察する作業を行った。まず、障害の社会モデルが「インペアメント/ディスアビリティ」「障害者/健常者」という二元論に立脚していることを確認した上で、超多様の進展とは二元論を構成するそれぞれの単位(インペアメント・ディスアビリティ、障害者・健常者)において「多様性の多様化」が進んでいくことを示しているのであり、それらは二元論の揺らぎとして把握が可能であって、そのことは二項対立ではなく双方の内部で複雑多岐化しつつ相互に関連しあった状況にあること、それにはジル・ドゥルーズとフェリックス・ガダリの提唱した「アッサンブラージュ」概念の適用が可能であることを示唆してみた。以上は、障害学会第20回大会においてポスター報告を行ったと同時に、障害学会の機関誌にもこれまでの研究をまとめたものを投稿し、その中の一部に活かした。 次に、ソーシャルワーク教育における「障害の有無」も含めた多文化共生プログラムの開発を行うにあたって、「超多様性」が多文化共生教育に対して有するであろう意義を考察した。その際には、超多様性の類似概念である「交差性」との相違を示した上で、「インペアメント文化」概念をそこに導入することで、多様性が多様化する中で往々にして身体の優劣関係に還元されがちな「障害の有無」を「文化の差異」に意味変換し得ることを示し、インペアメント文化概念を用いた多文化共生プログラムの可能性を導き出し得た。同時に、そのままでは単に「違ってよい」ということになってしまうことから、差異に生じる格差を克服すべく「反抑圧的実践」の必要性を強調した。以上は、日本社会福祉学会第71回秋季大会においてポスター報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理論研究は計画通りに進展し、実績を学会報告、論文投稿の形で行うことが出来ている。今後は、これまでの研究で重要性を再確認できた「インペアメント文化」を様々なインペアメントを有する人たちへのインタビュー調査を通して引き出し、その整理を行った上で、ソーシャルワーク教育の中身を検討する段階に入っていく。ただ、インタビュー調査については対象者の選定と日程交渉に時間を要してしまい、その開始が当初見込みよりやや遅れてしまった。この遅れは2024年度中にスケジュール消化を加速させることで吸収していくことにしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は前半でインタビュー調査を実施し、様々なインペアメント文化の抽出とその整理を行う。後半は、ソーシャルワーク教育と多文化共生の関連について先行研究レビューを行い、その実際と課題を浮き彫りにさせた上で、そこに各種のインペアメント文化の学びを盛り込む意義と課題を検討する。その成果を社会福祉学会において報告する予定にしている。 同時に、昨年度の学会ポスター報告の際に得られた質問を踏まえて、さらに理論的な精緻化を図って、学会報告につなげる。具体的には、障害の社会モデルと超多様性の関係、同じく障害の社会モデルとインペアメント文化をの関連、についてそれぞれアッサンブラージュ概念の下で一体的に把握する可能性を探る。その成果は障害学会に置いて報告する予定にしている。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)