象牙芽細胞の表面に突き出た細胞小器官の機能解析と象牙質再生への応用
Project/Area Number |
22K10075
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57050:Prosthodontics-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高江洲 かずみ (河田かずみ) 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (10457228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 高子 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (00228488)
青山 絵理子 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (10432650)
滝川 正春 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (20112063)
西田 崇 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (30322233)
久保田 聡 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (90221936)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 象牙芽前駆細胞 / IFT88 / 細胞増殖 / 一次繊毛 / 細胞分化 / 細胞極性 |
Outline of Research at the Start |
超高齢社会の日本において、SDGs (持続可能な開発目標) の達成のためには、人が生涯の最後まで活力を維持する、所謂「ピンピンコロリ」の必要がある。その実現には咀嚼機能維持が鍵となるが、一度損なわれた歯は、自然状態での再生は不充分である。この問題を解決するべく、歯を形成する細胞の一つ、象牙芽細胞の“一次繊毛”に着目した。体内のほとんどの細胞の表面から突き出る一次繊毛は、極性制御など多様な機能をもつ。しかし、極性が重要な象牙芽細胞での機能は、あまり分かっていない。よって、本研究では、象牙芽細胞の一次繊毛の機能を、極性制御機構を中心に解明する。そして、これを制御し「正常象牙質」再生の実現を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
象牙芽細胞の一次繊毛の形成や細胞周期制御に機能するIntraflagellar transport (Ift) 88の機能制御により、理想的な形質・形態の象牙質の再生を目指すべく、まずは正常象牙質の形成過程である1. 象牙芽前駆細胞の接着・増殖、2. 分化、3. 細胞極性の分子制御機構の検討を行っている。 現在までに、IFT88は古典的WNTシグナルの抑制を介して象牙芽細胞分化を制御すること、また、古典的WNTシグナルは一次繊毛形成を抑制することを明らかにしている(Bone,2021)。 本研究では、細胞増殖速度への影響を検討しており、Ift88ノックダウン乳癌細胞株(sh-Ift88 MRMT-1細胞)では既報通り増加したが、Ift88ノックダウン象牙芽前駆細胞(sh-Ift88 KN-3細胞)では抑制された。この制御機構を探索するために、細胞増殖制御にも機能する古典的WNTシグナルの転写調節因子beta-catenin に注目したところ、beta-catenin核移行細胞数はsh-Ift88 MRMT-1細胞では増加したが、sh-Ift88 KN-3細胞では減少した。また、WNTシグナルとクロストークするHippoシグナルの転写共役因子YAPにも注目した結果、YAP核移行細胞数はsh-Ift88 MRMT-1細胞では増加したが、sh-Ift88 KN-3細胞では増加と減少の二極性を示した。さらに、YAPのagonistであるVGLL4の発現量を比較したところ、MRMT-1細胞よりKN-3細胞において高発現を示した。現在は、コントロール細胞と比較し、YAP核移行細胞数が増加と減少の二極性を示すsh-Ift88 KN-3細胞で、細胞増殖抑制される原因はVGLL4にあると考え、Ift88とVgll4のダブルノックダウンKN-3細胞を作成し、そのphenotypeを検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
KN-3細胞において、IFT88が細胞接着や細胞増殖を調節する詳細な機構については、現在、検討中ではあり、昨年度より確実に進展しているが、まだ完全に解明はできておらず、研究推進方策と比較すると、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、IFT88によるKN-3細胞の接着・細胞増殖抑制機構の詳細な検討を、Ift88とVgll4のダブルノックダウン細胞を用いて、さらに進めていく予定である。その後、一次繊毛による象牙芽細胞極性制御機構の解明を行うことを計画している。
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Report
(2 results)
Research Products
(19 results)