Project/Area Number |
22K10519
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58020:Hygiene and public health-related: including laboratory approach
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Research Institution | Japan Organization of Occupational Health and Safety Japan Bioassay Research Center |
Principal Investigator |
後藤 裕子 独立行政法人労働者健康安全機構 日本バイオアッセイ研究センター(試験管理部、病理検査部), その他部局等, 室長補佐 (80722090)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 粉じん / 表面粗さ / 肺毒性 |
Outline of Research at the Start |
アルミナ等の粉じんをラットに気管内投与し、それら粉じんの曝露前の表面特性と曝露後の生体内での表面粗さの変化および肺毒性を同時に評価する。経時的に肺、気管支肺胞洗浄液(BALF)を採取することで、病態の進行と生体内での粉じんの表面粗さの変化との関係性を明らかにする。さらに、粉じんの表面特性から表面粗さの変化の要因を探ることで、表面特性に起因する表面粗さの変化から肺毒性を予測可能か検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】粉じんの吸入による肺線維症等の職業性肺疾患は、不可逆的に進行し治療が難しいため、労働者の健康を守る上で重大な問題である。また、近年のナノマテリアル等新素材の開発に伴い、これらの肺への影響も危惧されており、リスクの予測と予防が重要である。一方で、粉じん原体の表面粗さは毒性を評価する重要因子であるが、曝露後の肺内で時間経過と共に生じる表面粗さの変化の要因や肺毒性との関係は不明である。本研究では、表面粗さの変化の要因となる粉じんの特性および肺内で変化する表面粗さの肺毒性における役割を解明することを目標に、昨年度は雄性F344ラットに酸化アルミニウム粒子を投与し、肺の病理解析と気管支肺胞洗浄液(BALF)中の酸化アルミニウム粒子の表面観察を行った。今年度は経時的な表面粗さの変化の観察を肺の薄切切片を用いて行い、肺毒性との関連を検討した。 【結果】雄性F344ラット(n=6)に、PBSに懸濁した酸化アルミニウム粒子(40-50nm、富士フイルム和光純薬)を単回気管内投与(100mg/匹)し、4週後、13週後、26週後に肺とBALFを採取した。採取した肺は固定後に薄切切片とし、病理解析用にHE染色、走査型電子顕微鏡(SEM)による表面観察用に白金蒸着を施した。BALFは肺障害マーカー(LDH)の測定に供した。病理解析標本と照合してSEM観察した結果、昨年度観察したBLAF中の酸化アルミニウム粒子と同様に、原体と比較して4週後から26週後までの肺病変中の酸化アルミニウム粒子には特段の変化が認められなかった。LDHは13週後で最も高く、26週後には値が低くなったことから、26週後に病態の進行が見られなかった昨年度の病理解析結果と一致したが、酸化アルミニウム粒子の肺内での表面変化と肺毒性との関連性は現時点では見出せなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度は酸化アルミニウム以外の粉じんも対象として評価を行う予定であったが、所属施設の移転のため分析機器等の使用時間に制限が生じ、SEM観察等の時間が十分に取れず、解析に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
酸化アルミニウム粒子は投与26週後には肺障害性が軽快する傾向の粉じんであったが、肺障害性が投与26週後も継続・悪化する粉じんも存在する。そこで、来年度は酸化アルミニウム粒子以外の粉じんについて、BALFおよび肺切片の観察と肺毒性の評価を行い、酸化アルミニウム粒子との比較を行う。また、粉じんの表面変化の数値化についても検討するとともに、表面特性の評価も行う。これらを通して、肺内で変化する粉じんの表面粗さの肺毒性における役割を解明する。
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