自由自在な変形を可能とする階層的メカニカル・メタマテリアルの創製
Project/Area Number |
22K14153
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 18010:Mechanics of materials and materials-related
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
立山 耕平 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (70837096)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | セル構造体 / ひずみ速度 / メカニカルメタマテリアル / 階層化 / 衝撃吸収 |
Outline of Research at the Start |
材料に幾何構造を付与し、特異な機械的特性を発現させたものを、メカニカルメタマテリアルと呼んでいる。その一種で、内部に多数の空孔(セル)を有するセル構造体は、セルの幾何学的制御のみでその機械的特性を変化可能である。本研究の目的は、自由自在な変形を可能とする階層的メカニカルメタマテリアルを創製することである。そのために、「規則構造」および「不規則構造」の両者をミクロとマクロに「階層的」に配置するといった発想から、従来は相容れなかった変形機構の共存を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
従来のセルの幾何学的制御は、1.「規則的」配置による高強度化、2.「不規則的」配置による変形の安定化の2種類に大別される。「規則」と「不規則」は文字通り二律背反であるため、これらの構造が共存した幾何学的制御は未だ存在していない。そこで本研究では、「規則構造」および「不規則構造」の両者を「階層的」に配置するといった独創的発想で従来の2種類の変形機構を共存させ自由自在な変形を可能とする階層的メカニカルメタマテリアルの創製を目指す。本研究は2つのフェーズAおよびBに分類され、進捗に合わせて適宜フェーズを移行して研究を行う。2022年度ではフェーズAとして、単位セル構造の変形特性データベースの構築を行った。また、両フェーズに共通の試験装置である落錘型試験装置の作製を行った。実施した具体的内容としては、解析モデル作成および構造解析、試験片作製、試験装置作製および試験装置の実装である。解析モデルの作成は、自作の3D形状作成プログラムを使用した。本プログラムではセルの形状、大きさ、配置の乱雑性、セル壁の厚み、異方性、セル壁の節の大きさを任意に変更することが可能であり、オープンセル構造とクローズドセル構造のシームレスな移行も再現できる。本手法を用いて、セル構造体の圧縮特性に及ぼす内部流体の影響およびセル形状の影響について解析的検討を行った。その結果、これまで実験的に得られてきた実験結果を補間する解析結果を得ることができた。実験のための試験片作製には、粉末焼結積層方式の3Dプリンタを用いた。3Dプリンタを用いるにあたり、積層の異方性やレーザー強度の影響等について実験的に検討を行った。実験的検討においては、単純な準静的圧縮試験だけではなく動的なひずみ速度の影響を考慮するために衝撃試験装置を開発し、幅広いひずみ速度域での試験を可能とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請当時から所属大学が異動となったことに伴い、当初使用を見込んでいた試験装置のいくつかが使用できない環境となった。そのため、予定になかった試験装置の開発等をはじめとした試験環境構築の必要が生じた。当初予定していたフェーズAの実績としては実験的検討が若干不足していると判断するが、最終年度に十分挽回可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
フェーズBとして、単位セル構造の積層による変形機構の融合と変形のコントロールを行う。構想としては、マクロ階層に“反転らせん構造”や“傾斜構造”といった構造を付与することで、座屈によるエネルギー吸収特性のコントロールを図る。具体的には、実験および数値解析によってマクロ階層の変形を可視化し、その変形機構を明らかにする。これにより、全単位セル構造において一切の無駄のない変形を目指す。また、ミクロ階層をどのようなスケールで組み込むかが重要となるため、ミクロ階層のスケールをシームレスに推移させたパラメトリックスタディを行う。試験片の作製、実験および数値解析はフェーズAと同様に行う。最終的に、各フェーズの結果を総括して“構造の幾何学的形状の制御のみで構造体の変形を自由自在にコントロール可能“とするための変形について、そのメカニズムを解明する。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)