免疫受容体ネットワークの遺伝子発現を制御する転写因子の同定
Project/Area Number |
22K14893
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 39040:Plant protection science-related
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安達 広明 京都大学, 農学研究科, 特定助教 (60909513)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
|
Keywords | 植物免疫 / 免疫受容体 / NLRタンパク質 / 転写制御 / 転写因子 / NLR |
Outline of Research at the Start |
植物細胞内には、NLR免疫受容体があり、病原体分子を認識し免疫システムを活性化させる。近年、植物のNLR免疫機構の新しい概念として、異なる機能を持つ複数のNLRタンパク質が協調的に機能し、免疫応答を誘導するNLRネットワークモデルが提唱されている。しかし、それら複数のNLRが、転写レベルでどのように制御されているかは解明されていない。本研究では、ナス科モデル植物であるベンサミアナタバコを用いて、NLR遺伝子群の組織特異的発現制御に関わる転写因子を同定することを目的とする。ネットワークを構成するNLRの転写制御機構を明らかにできれば、植物の免疫受容体ネットワークの分子進化の理解に繋がる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
植物細胞には、細胞内免疫受容体(NLR:Nucleotide binding-leucine rich repeat protein)があり、病原体が分泌するエフェクター分子を認識し免疫システムを活性化させる。近年、植物のNLR免疫機構の新しい概念として、機能分化した複数のNLRタンパク質が協調してはたらき、免疫応答を誘導するNLRネットワークモデルが提唱されている。それら機能分化型NLRは、エフェクター認識に特化した“センサーNLR”と、免疫シグナル誘導に関わる“ヘルパーNLR”に大別される。ナス科植物において、センサーNLRとヘルパーNLRをコードする遺伝子は、異なる染色体に座上しているにも関わらず、共に機能するという特徴があるが、それら受容体遺伝子が転写レベルでどのように制御されているかは未解明である。本研究では、ナス科モデル植物であるベンサミアナタバコを用いて、NLR遺伝子群の組織特異的発現制御に関わる転写因子を探索することを目的とした。今年度は、ベンサミアナタバコの葉および根組織におけるトランスクリプトームデータと、ベンサミアナタバコゲノムから抽出したNLR遺伝子上流プロモーター配列を比較し、葉および根で発現するNLR遺伝子のプロモーター領域に保存されたシス配列候補を同定した。免疫受容体ネットワークを構成するNLR遺伝子の転写制御機構を明らかにできれば、植物の免疫受容体機構の分子進化の理解に繋がる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ベンサミアナタバコにおいてNLR遺伝子の転写制御に関わるシス配列候補を同定するため、ベンサミアナタバコの葉および根から抽出したRNAを用いたRNA-seqデータと、NLR遺伝子の上流プロモーター配列を抽出したデータセットを活用し、葉または根で発現するNLR遺伝子のプロモーター領域に保存された~10 bpの塩基配列を探索した。このシス配列探索法により、機能的な転写因子結合配列の候補を複数同定した。得られたシス配列候補の情報から、どの転写因子ファミリーがNLR遺伝子群の発現制御に関わるか、in silicoでの絞り込みを行なっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
ベンサミアナタバコにおいて、NLR遺伝子の発現制御に関わることが示唆された転写因子ファミリーに着目し、葉と根でNLR遺伝子と共発現している転写因子遺伝子をリスト化する。さらに、遺伝学的解析および生化学的解析により、着目した転写因子がNLR遺伝子の発現制御に関わるかを評価する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)